多くの企業・組織、その経営者やリーダーやマネージャーの悩み。それは、生産性高く成果を出せる組織づくりがなかなかできないこと。2015年、Googleが約4年の歳月をかけてプロジェクトチームを組んで解明した、強いチーム・生産性の高いチームには何があるか・・・。
【心理的安全性】
英語の「サイコロジカルセーフティ(psychological safety)」を和訳したビジネスに関する心理学用語だそうです。他人からの言動・反応を心配したり怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出せる環境があること。
このような科学的な知見からわかってきている組織づくりの知識が、インターネットで簡単にわかる時代になったにも関わらず、多くの経営者・リーダーはなぜ悩み続けるのでしょうか。
それは、1人1人の個性が千差万別でバラバラ、かつ自分がどんな人間か?自己理解し、かつそれを表現する術を知らないがゆえに、「他人からの言動・反応」に無意識に心配したり怯えたり不安になったりするから。
経営者やリーダーやマネージャーの力だけではどうしようもない、チームの構成員側の課題もあるからです。でも、ここにチーム構成員、いわゆるメンバーそれぞれが「自己理解」をし、かつそれを「自己開示」するような過程(プロセス)が入ると、チームはどうなるのか?
1年でチームは変わるチームビルディング
すぐ役に立つものは、多くの場合、長期的に見ると役に立ちません。ましてや、人の感情や情熱や興味などの心は常に変化をしており、その集合体である組織は刻一刻と変化をしていくものです。
その中でも、いかに「関係づくり」を行うかで、半年後、1年後の成果の質が変わってくるか。
僕が多くの企業から相談・依頼される「組織づくり」「生産性向上」や、「リーダーシップ」「人材育成」系の研修で、提案して取り入れてもらっているのがストレングスファインダーです。
アメリカの調査会社“ギャラップ”社が、数十年に渡って世界中の組織・労働者を調査し、そのビッグデータから導き出した、仕事で成果を上げている&成果を上げている組織の特徴を割り出し、「34の資質」としてその資質が表出しやすい順位を診断してくれるツールです。
この診断にプラスして、「自分の価値観に気づくワーク」「自分の人生をふりかえり数値化・言語化するワーク」を加えて、組織・チーム内で共有していきます。
そして、コミュニケーションにおける「聞く技術」であるコーチングのワークショップも体験しながら、「相手の個性を引き出し、認める」ことの重要性を学んでいくと・・・
実感としては1年くらい経つと、組織としての成果の質が高まっていることに気づけるのではないでしょうか。ただし、人間はどうしても忘れやすい生き物です。1回の研修ですべてが叶うとしたら・・・そんな魔法はやはり存在しないと思います。
大事なことは、研修を経験したあと、チームとして「個人1人1人の状態や、チームの状態をチューニングしあう機会」を定期的に持つことで、研修の効果を「維持」そして「強化」することができます。
研修の質を高めるためのリフレクション
たまにこういう方がいらっしゃいます。「研修やセミナーは意味ない」と。
実際に、人間は忘れやすい生き物で、かつこのような組織やリーダーシップ、チームビルディングに関する研修・セミナーは、「正解がない・わからない」問題に向き合うため、「新しい情報」が入ってきても忘れてしまったり、実行できなかったりします。いわゆる再現性が低い。
その課題を解決するには「体験したことの意味づけ」と、「自分の言葉で誰かに伝える」ことができるだけで、再現性をグッと向上できるのです。そのプロセスが、研修の最後に必ず行うようにしている「リフレクション」、体験の言語化とその共有です。
2020年8月1日。新型コロナの陽性判明者が日本全国で拡大傾向がある中、新幹線に乗って、とある企業を訪問しての「リーダー研修」の講師を行いました。朝から夕までの丸1日コース。
事前にストレングスファインダーで診断してもらっており、それをもとに「自己理解」をさらに深めるワークと、言語化を行っていきました。お一人だけ、オンライン参加ということで、ノートPCという媒体を挟んでの参加になりましたが、あまり問題なくワークもでき共有や発表もできたので、科学技術の進化はすごいです。
本来は休日である土曜日にも関わらず、丸1日の研修ながら時間が経つにつれ、どんどん顔つきや話す言葉の質が上がり、このわずかな時間の中でも「関係性がリデザイン」されていっていることにみんなが気づける時間になり、この組織に新たな活力の源泉が生まれているのを感じました。
今後、参加された方々がどのようなリーダーになっていくか、リーダーシップを発揮していくか、楽しみです!