この強烈なタイトルと、SNSでは強力なビッグネームであるホリエモンこと「堀江貴文」さんと、ブロガーとしてだけでなくビジネス的な書籍も出してる「ちきりん」さんによる帯推薦。それもあってか、この本が発売開始になった2018年2月16日以降、売れに売れているようで2月28日には増刷が決定、3月6日にはAmazonでも欠品状態に。出版社のPHPの方も「近年稀にみるスピードで売れてる」そうです。すごいなぁ~。
今回、1円ももらってないので仕事ではないと言えばないんですが(笑)同年代であり、同じナインティナインのオールナイトニッポン(今は岡村隆史のオールナイトニッポン)のヘビーリスナーでもあるという仲(どんな仲?)で、「福岡の本を書くことになったから話を聞かせて」と取材を受け、かつ書籍の広報PRとして、日経新聞の記者に伝えて新聞で書籍紹介してもらったり、常に持ち歩いていろんなキープレイヤーに紹介しまくったり、WeLove天神協議会の半オープンなイベントに木下斉くんを呼んでトークしてもらったりと、本が売れることに少しは役立ったんじゃないかと思います。
まだの方はぜひ読んでみてください。
では、番外編ということで勝手に本に載ってないことなどをあーだこーだ言ってみましょう。
これは福岡市の過去の情報を編集したもの
大事な視点はここです。これまで「博多学」とか、「福岡県」や「福岡」に関するいろんな紹介本は存在していましたが、ほぼ全てのそれらの本がエンターテイメントを目的とした本であったということ。テンジン大学なんてやってるもんですから、福岡に関する本はそれなりに手を出して読んできてますが、どれも切り口がエンターテイメントに寄せてあり、偏った情報でした。
でも今回のこの本は、経済・政治・社会の3つの面からバランスよく書かれており、数字による統計から、各機関が出している資料、人物を紹介する様々な書籍をもとに地元福岡の民間人から市役所職員から僕みたいな人まで取材して書かれている点が、他と決定的に違います。
でも、明治時代から戦後、そして現代にいたる様々な「点」を上手に組み合わせ、「今現在、福岡市が勢いある理由」として編集されたものです。今でこそ福岡市は、高島市長というとても情報発信が上手い市長が誕生したこともあり、日本中で知られ、世界からも名前を知ってもらう機会が増え、本当の意味で評価をされ始めているのですが、その土台となったものがどんなものか?を知る機会が本当になかったのです。高島市長もそのことを重々承知なのでしょう、よくプレゼンで「過去の多くの偉人たちの積み重ねで~」みたいなことを前々から言われてます。
本に載ってない福岡の他都市と違う特徴
それは「女性」です。何より各世代の人口比率において、他都市を圧倒しているのが「女性人口比率」です。とくに20~40代の女性の人口比率が非常に、いや、異常に高い。それがもたらす恩恵や、副作用、そして「この状況に至った背景」まではこの本には載っていません。
そう、福岡は独身女性にとってはまさに地獄のような競争が激しい、地方、いや、日本一のエリアなのです。(とは言え、結婚したい、恋愛したい女性にとってはの話)。
そのため、美容室の数は政令市の中でもダントツトップクラス。美容にかける1カ月あたりの予算も多い。何より九州中からいろんな女性が福岡にやってきては、競争が激しいのでみんなキレイになっていく。それがまた転勤族の主に男性陣を虜にして、口コミとして「福岡は天国だ」なんて言われたりもするわけで。
出典:「福岡には美人が多い!?」「美人が多い街・福岡」は本当か?その疑問をデータで証明 (天神経済新聞2009年1月の特集記事)
ではなぜ、女性がこんなにも多いのか?について、しっかり統計とって触れた本はないし、WEB記事もなかったりします。じゃあ僕が知ってるのかというと・・・、正確なデータもなければ、研究もしてないんですが、「女性比率が高い」のは日本政策投資銀行の資料よりわかっています。(国勢調査でもわかるよね)
なぜ福岡は女性が集まってくるのか?
理由は、高校生・大学生やまわりのいろんな女性たちに聞いて出てくる答えがほぼ一緒なものがあります。「実家を出ていくのは良いけど、九州は出るな、福岡までなら」と言われたという声。この親からの一言により、東京進出を諦め福岡の大学に通うことにした才女のなんと多いことか。
そしてもう1つは、2000年代に入った頃から天神近辺に増え始めたコールセンター。いろんなオフィスビルがどんどんと出来たり建て替わったりしていく中で、コールセンターで●●●人の雇用創出!なんてニュースや記事がけっこうな頻度で出てたのを覚えています。
画像引用:(財)福岡アジア都市研究所「データで語る福岡の今・未来」(2011年専門研究員・山下永子)より
福岡市の外郭団体である(財)福岡アジア都市研究所の当時研究員(現在は、九州産業大学地域共創学部の准教授)の山下永子さんが出している資料に、中央区内での男女別の「小売業」就業者人口が、1985年ごろから2010年にかけて女性の就業者人口が1.5倍になっています。ちなみに男性はほぼ横ばい。上記のコールセンター等も含めると、「女性が働く職場が天神中心に増えた」ことになります。
この「働く女性人口の増加」が福岡に何をもたらしたのか?このあたりも深掘りしていくと、カフェブームやコーヒーブームが来たり、美容室が増えていったりと「路地裏を歩く楽しみ」みたいなのが福岡の博多ではなく、天神を中心とした周辺に広がっていったのがわかるのです。さらにその周辺部に女性が一人暮らしできる賃貸マンションが激増という連鎖が起こっていきます。おそらく福岡市に歯医者が多いのもそれの影響なのかな?
そんな福岡市の特徴について「人間関係」の視点で見てみると・・・?