去る7月11日(月)にファシリテーション講座の講師をしました。世の中的に「ファシリテーション」のスキル獲得・向上の需要が高まっていると思われます。今回は福岡市西区・保健福祉センターより、「地域包括ケア」という分野から医療系・福祉系・介護系の業種の方々が集い、意見を出し合ったりチームを組んだりする中で、「ファシリテーションスキルの獲得・向上が必須だ」として講座の依頼を受けました。
トップダウンではない会議の進め方
最初から目的が明確で、リーダーがいて、各自役割が決められたら「やること」がすぐわかるので会議は情報共有の場でしかありません。でも、今の世の中は将来の不確実性がどんどん高まってきているため、ビジネスの現場でも、地域やまちづくりの現場でも、上に書いたような現場でも、あらゆる“現場”でトップダウンではない会議が増えています。
そんな現場でよくあるのが「同業種・同職業の共通言語」とは真逆の、複数の業界+違う業種+年齢も価値観もバラバラ、だけど共通の課題があって集まって話し合う、チームを組んで事業を進める、などの機会。僕自身の実感としてもどんどん増えています。
そんなときに必要なのがチームのコミュニケーションを円滑にしたり、モチベーションを向上させたり、スキルや意見を引き出したりする「リーダーシップ」と「コミュニケーション」です。でもそんなリーダーシップやコミュニケーションなんて、義務教育でも高等教育でもほぼ習えませんし、講義で習っても実際の機会がありません。社会人になったらなおさらで、社内研修でそんな機会なんてほぼありませんし、先輩社員も実践がなかったりして教えられないし、そもそも学ぶ必要性がある、身に付ける必要性がある、ということに思い至りません。
でもどうやら社会は求めているようです。ファシリテーションを。
ファシリテーション講座の中身は?
社会が求めているのは本屋にいけばわかります。教育業界では“アクティブ・ラーニング”の嵐が吹き荒れようとしていて、ビジネス業界でもイノベーションという言葉が広がり、いろんな場面・現場でファシリテーションが必要だと言われています。
でも、実際にファシリテーターとして仕事を請ける身として思っていること、まわりのファシリテーターの仕事をしていたりする先輩・後輩に聞いて出てくる答え、いずれも「ファシリテーションは場数だ」なのですが。
ではそんなファシリテーション講座ではどんなことをするか?テクニック論になると、本を読めば良いので、本で表現できないところを「体験」してもらい、かつ「実践あるのみ」です。ここで重要になるのが、自分自身の「体験・実践」を振り返ったり、フィードバックをもらう「機会」。
アクティブラーニングでも振り返りが重要
体験を増やして、自主性を引き出す学びの場で最も重要だと思っているのが「振り返り」です。振り返りというといろんなやり方がありますが、もう少し深く掘った言葉を使うと「体験の言語化」ですね。
・なぜ自分はここにいるのか
・自分にとってこの時間はどんな意味があるのか
・その意味は今後どのようにつながっていくのか
・この時間を経て明日からどんな行動が生まれるのか
このような問いかけをもとに、「体験した時間」を自分なりに意味づけし、言語化していきます。その言語も「発言」に終わらせず、目に見れるカタチにしてもらいます。書いたり、絵にしたり、3次元の形にしたり、そしてまたそれを説明したり。
そうすることで、「自分の頭はこんなこと感じたんだ、考えたんだ」とさらに気づく機会を作ってくれます。
そんな学びを盛り込んだファシリテーション講座でした。Facebookでファシリテーション講座をやったことを書いたら、意識の高い大学生から「僕も参加してみたかったですー」と言われて、身に付けたいと思っている人はやっぱり多いんだなーと改めて思いました。