講師・講演

情報格差2.0~都市部と地方、そして持つ者と持たざる者の差~

2000年ごろ、日本ではインターネットが家庭に普及しはじめ、ようやく「ネット使い放題」が一般化、モバイルも登場し、インターネットの世界でのビジネスに夢を見た若者たちが続々と立ち上がった時期。このとき、インターネットに接続できるデバイスを持つ人と、持たない人の間に生じる「情報格差」という言葉が出てきました。

 

誰もがネットに接続できる環境にあるのに格差は拡大

現在、上記の意味合いでの情報格差はスマートフォンの登場もあって聞かれなくなった。ところが「デジタル・デバイド」という言葉が出てきた。日本語に直訳すると情報格差らしいが、デバイド(divide)という単語には格差という意味合いはなく、「区切る・分ける・離す」という意味になる。

 

今、都市部と地方で起きている情報格差、同じ地域に住んでいても個人間で起きている情報格差、業界や企業組織文化による違いで起きている情報格差、「全て、ネットに接続できる環境がありながらも、その利用目的や習慣の違い」による格差がすごい差になり、まさにデバイド(divide)していってることを体感します。

 

地方講演で感じるデジタル・デバイドとは?

福岡の都市部で、社会人になりずっと広告業で生計を立ててきて、まちづくりや教育の分野の仕事も行い、中学生・高校生から高齢者まで講演したりファシリテーターする日々の中に、「地方での講演」の依頼もちょくちょくいただきます。

 

それらの現場で感じるのが「今、世の中で何が起こっていて、人類はどんな方向に歩んでいるのか?国、そして都市、地方はどんな方向に歩んでいるのか?個人はその中でどう生きていけばいいのか?」という問いを立てて行動している人があまりにも少ないということです。

 

実はこの「何に関心があるか」という情報アンテナの感度の高低の差が、すさまじいほどに都市部と地方の情報格差を生み、業界や企業における情報格差を生み、個人における情報格差を生んでおり、今ではもう追いつけないほどの圧倒的なデバイド“差”が年々広がっていることに気づきます。僕は勝手にこれを「情報格差2.0」と呼ぶことにします。

 

知っているだけでビジネスになり地域活性ができる?

例えば、今では世界中にユーザーを持ち、世界中に「泊まれる部屋・家」を生み出したシェアリングエコノミーの代表格「Airbnb」。日本の地方における観光業では非常に活用しがいのあるビジネスツールと言っても良いでしょう。コストをあまりかけずに市民を巻き込んで、特定の地域で「Airbnbを活用した地域資源の活用と人材のホスピタリティ向上」を仕掛ければ、たちまち外国人がそこに流入してきます。Airbnbを知っていれば、そんな発想もでてきますし、何から手をつければよいか、他地域に事例はないか、調べればすぐに出てきます。

 

ところが「知らない」のです。4年前の2014年、福岡県内の観光都市代表格・柳川市。柳川市の観光課の方々とお仕事をさせていただく機会があり、ヒアリングしたところ「課題は宿泊客が少ないこと」という課題がありました。でも、Airbnbを当時の市役所の観光課の方々は知らなかったのです。そのとき、福岡市はすでに宿不足が表面化していたこともあり、Airbnbをはじめとする「宿のシェアリングエコノミー」をどう市民に認知してもらうか?という議論はされていましたし、市役所として何ができるか?と動いてました。

 

今では少し規制もでき、そのおかげで安全性も向上し日本国内におけるAirbnbの登録物件の質は向上しているかと思いますし、話題にもなったので「地方の観光推進したい・しているところは、どう活用するか?」くらいはしてるだろーと思うのですが、観光を推進したい地方自治体の担当者や民間人でも「知らない」人が多いのです。

 

結局、情報アンテナの差は「誰と繋がっているか」の差

まちづくりや教育に関する仕事をしていることと、たまたまIT×起業を押しに押しまくっている福岡市に住んでいること、身近にAIを活用したビジネスをしている経営者や、ITスタートアップの経営者とも繋がっていること、ほんの少しの偶然におかげで「世界は今、どのような速度で変化し、動いていっているのか」の情報アンテナがピンと立つようになりました。

 

つまり、「どんな人と繋がりを持っているか」の違い、言い換えると「情報が入ってくる経路の多様性を確保できているか」によって、得られる情報にすさまじい差を生んでいるのです。この差は現実に様々な格差となってジワジワと襲い掛かることになります。

 

「貧富の差」、「人材確保の差」、「可処分時間の差」、最終的に「行動の差」になり、そのサイクルがさらに「貧富の差」を拡大していき、のループ。

 

この、誰かが意識して発見し、埋めようとしない限り埋まらない情報格差はどのようにして止められるのでしょうか?もはやネットワークを持ち、情報アンテナを持ってる人はどんどん先に行くため、まだ起きてない・気づいてない・繋がっていない人に、現実を知ることで「危機感」が生まれ、「前向きな問い」が立てられない限り、埋まらない大きな谷になっていくでしょう。

 

講演に盛り込む「今、世界では何が起きているか」

ショック療法ではないですが、約10年前に登場したインターネットの世界での様々なサービス・仕組みが世界をどう変え、人々の生活や仕事や価値観を変えていってるのか?AIやロボットがどんなスピードで変化し、それが何をもたらすのか?人口減少と高齢化がもたらず地方と無関係ではないこれらの情報に、あえてビックリしてもらうことで「じゃあどうする?」という問いをぶつけるようにしています。

 

おかげで言われる感想・意見は「地域の子ども・親たち、そして教育に携わる大人たちにも聞かせたい」が多いです。やはり、次世代を担う人材を、地方でどう育てていくか?最後は「人」になるんですよね。

 

あなたは「誰とつながって」いますか?



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