SDGs

SDGsを経営戦略に実装すると地方と中小企業の未来が変わる!

2018年4月23日、OECD(経済協力開発機構)が、世界6都市を「SDGsモデル都市」として選定。その1つに日本から唯一「北九州市」が入りました。
参考:北九州市、SDGsモデル都市に OECDが国内初選定(日本経済新聞)

 

そんな北九州市はSDGsが産業界にもジワジワ広がりを見せており、北九州市立大学が積極的に仕掛けています。2018年5月~2019年3月まで毎月講座がある、受講料が15万円という「SDGs社内リーダー育成講座」も開催されています。

 

その一環として2018年11月17日(土)に、北九州市立大学が事務局となっている文科省の事業「知(地)の拠点」の地域連携シンポジウム「SDGs時代の企業経営とは~SDGsの基本と最新事例を知る。未来人材(大学生)と考えるビジネスチャンス~」というイベントが開催されました。
参考:地域連携シンポジウム「SDGs時代の企業経営とは」

 

ご縁あり、今回の登壇者、慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授の蟹江憲史先生と、SDGパートナーズ有限会社 代表取締役CEOの田瀬和夫さんに並び、ファシリテーターとして全体のプログラム設計から関わらせていただきました。

 


当日のセミナーの様子、約100名近い方が参加されていた。

参加者は、北九州市役所の課長・部長などの方もいれば、大学生も20名近くいる、北九州地場の製造業の経営者や役職級の方、周辺自治体の方もいれば、学校の先生もいる、福岡市方面からもちらほら、年齢幅も10代後半から60代くらいまでまんべんなくいる多様な会になりました。

 

日本のSDGs現在地と足元で進行する金融の動き

約半年前にも、同じく北九州市立大学が主催元となり「SDGsのビジネスセミナー」があり、同じくSDGパートナーズの田瀬さんが基調講演でした。そのときに田瀬さんは「日本の企業は、自社のCSRや本業である事業が、SDGsの何番と類似しているかの符号化、マッピング止まり」とお話し、そのあとに登壇したTOTOと東京日動火災のCSR担当者のプレゼンがボロボロだったのですが、そのときの様子含めた記事はこちらを参考に。

東京では経団連や各省庁の動きもあって、SDGsがようやく認知度広がりはじめた感がありますが、いち市民にはまだまだ~なようです。

 

ところが、今回登壇した慶応大の蟹江先生から「世界そして日本の金融がSDGsにベクトルを向けてきている動きが」と。資本家のお金の流れが変われば、グローバルに展開する大企業ほど「経営方針から変えなければならない」ことになります。

 

多くの方の記憶に新しい「スタバのストロー全廃」と「セブンイレブンのレジ袋有料化」のニュース。この大本は「プラスチックゴミ」が発端です。そしてこれは、企業がただ環境問題を重視した以上に、金融の流れが変わったことからの影響の方が大きいと言える、というような蟹江先生のお話でした。

 

まず、国連が2030年までの人類の目標を定め、169ものターゲットがあり、非常に教科書的でキレイな理想が掲げられているのですが、「世界がこれに向かっている」のは事実なのです。とくにヨーロッパは、その足元というか目と鼻の先に、不安定なアラブ諸国とアフリカを抱え、「環境問題」だけでなく「経済格差」「貧困」が巡り巡って自分たちの社会を不安定にする要素になることを認知できています。

 

そしてこれが金融面では露骨に出ており、ESG投資を行う金融機関の数・比率はヨーロッパがだいぶ前から動いていて群を抜いています。(日本ではSDGsが登場しようやく2016年にだいぶ数を増やしてきており、伸び率は世界一w)


画像引用:中央調査会「ESG投資の潮流と日本企業への影響」より

 

ということで、このSDGsは見方を変えると「世界が目指す方向」であり「世界が抱える課題」が洗いざらいキレイにまとめられた「課題の教科書」でもあるわけです。だから、これに沿っていけば、2030年までは間違いないわけです。

 

そして今回、田瀬さんが「短い時間だから今回はこの話に絞ります」と言ってお話されたことが、前回の田瀬さんの講演もあって、ようやく僕の中でストンと腹落ちしました。

 

 

SDGs×ビジネスのレバレッジ・ポイントを発掘せよ!

日本の企業はまだ「CSRや本業である事業が、SDGsの何番と類似しているかの符号化、マッピング止まり」と書きましたが、中には「経営理念に埋め込み・実装」しはじめる企業が出てきています、と田瀬さんは紹介。

 

そもそもSDGsは、下記のアイコンが「あっ、SDGsだ」と認識できるようにデザインされていますが、この各番号ごとにアイコン化してしまったがために、1つ1つが独立し、連結しているように思考が働かないのが、「日本企業を困惑させている」と言います。

国連は「学校給食の支援」という【2】のボタンを押すことによって、連鎖的に【3】【4】→【8】【10】→【1】と、SDGsの複数の番号の課題を解決する「レバレッジ・ポイント」をおさえて事業展開しています。つまり、企業の本業や事業内容によって押せるボタンがあり、連鎖的に「他のSDGsの番号の課題の解決へも行える」というものが、企業それぞれにあるはず、まるでドミノのように連鎖させることが大事である、と。

 

ということで、紹介された企業はリクルート!リクルートは「SDGsドミノ」と言って企業経営に組み入れました!

 

“リクルートグループのSDGsドミノ”


画像引用:リクルート「サステナビリティマネジメント」より

 

中小企業こそSDGsが必要な3つの理由

これまで見てきたとおり、SDGsは世界が目指す教科書であること、経営理念・戦略など本業の意思決定の中に組み込むということは「会社のビジョンを明文化する」こと。実はココに「中小企業こそSDGsに取り組む方がいいメリット」がある!と田瀬さん豪語します。

1.企業理念を「社会的使命」に沿って明確にできること

2.世界のビジネスの潮流に乗れること

3.自社ブランディングに繋がること

 

です。1つ1つを細かく説明すると長くなりますが、中小企業は「企業理念」を明確に掲げている会社は約半分。つまり半分の企業は「ない」もしくは「社長の頭の中にある」状態。さらに掲げていても、キャッチコピー的なもので企業の「運営原則」になっていなかったり、「社会的使命」になっていなかったり。

 

ここにSDGsを実装した「理念」が掲げられるだけで、企業としてのいろんな意思決定が変わり、習慣が変わり、行動が変わり、「結果が変わる」ことになります。そんな魅力的な企業、人材獲得の面でも“何もしていない企業”と比べると、確実に差をつけることができます。

 

さらに大きいのは「地方経済・社会」への影響です。日本でも地方ほど、社会的課題への対処に行政の予算は税収減で回っておらず、雪だるま式に増えています。何より、若い人ほど「地方には魅力的な職場・企業がない」と都会へ出ていきます。ここに楔を打てる可能性がある!

 

そんな地方企業の中で最も進んでいる!と紹介されたのが、石川県小松市にあるコマニーです。パーテーションの企業としてシェア日本一の企業。こちらは企業理念そもそもをSDGsを据えた「コマニーSDGs∞(メビウス)モデル」というのを宣言しています。


画像引用:コマニー「SDGsで目指すもの」

 

ここまで聞いて、僕は自らが経営する福岡テンジン大学にも「こんなビジョンを描いて、SDGsを実装したものにできそうだ!」とアイデアが浮かびました。さっそく年度内に固めたいと思います。

 

SDGs時代の企業経営は何から始めればいいの?

今回のセミナーでも、学んだことを結局どう社内に落とし込めば良いか?という質問が多数出そうだったので、最初から「対話から始めよう!」ということで、対話中心にプログラムを設計しました。最後に「じゃあSDGsを組織に実装・地域に実装するために、今は何が壁で、何が武器になりそうか?」という問いを立てて、ファシリテーションさせていただきました。

 

福岡でもSDGsカードゲームが猛威を振るいはじめていて、広がりを見せているので、多くの「SDGsカードゲームは体験したことがある」という人が誕生しています。このカードゲームを体験した人なら、もうわかるはず!

 

参加者同士の「対話の量」はその質に比例し、さらに行動の質へと比例していることに。

SDGsは「対話」から始めましょう!



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