福岡中小企業経営者協会の方にお誘いいただいて「社会連携教育勉強会」なるものに参加してきました。毎月ゲストなりを呼んで、教育や人材育成に関係している人たちが学び合っている小さなコミュニティです。ビジネス系から教育系(大学の先生から高校の先生など)から地域系の方までいるので、いろんな視点の話が飛び交い学び・気づきが深いです。
まだ参加1回目でしたが、今回のゲストが九州産業大学・経営学部の聞間(ききま)教授が登場し、レゴシリアスプレイを活用して教育プログラムを受講してどのように受講者に変化があったのかを視覚化してみた、というお話を聞きました。聞間先生は3年ほど前に知り合い、九産大の講義にも呼んでいただいて、いろんな場面でご一緒する福岡の人材育成・教育の同志というか大先輩といか、話していてとてもワクワク刺激になる先生です。
レゴシリアスプレイとは?
レゴ?そうです。男子ならだいたい誰でも通る「レゴブロック」です。そのレゴブロックを使ったメタ認知のワークショップの手法です。
レゴ®シリアスプレイ®では、各人の心の奥に隠れた内観を、ブロックを用いて、立体化された作品を創り、可視化させます。
「レゴシリアスプレイ」と呼ばれ、認定ファシリテーター(福岡では10人強ほどいらっしゃるそうです)が場を進めて問いかけなどをしていくそうです。聞間先生は、このメタ認知を可視化することができるワークショップを、教育効果の可視化に使えないか?ということで、福岡女子大が昨年度より行っている「社会人の学び直し大学院プログラム」にて、プログラムの途中と最後で取り入れて観察を行ったそうです。
勉強会では聞間先生の発表を聞き、それを聞いた参加者がいろいろと質問していきました。このレゴシリアスプレイによる教育効果の可視化にて、プログラムの最後に行い、受講者が作ったレゴの形(ここではモデルと呼ぶそう)は、最初に作ったものからかなり変化をしており、ファシリテーター(聞間先生)による問いかけでさらに受講者は気づきを深くしていくそう。
これっていわゆる「体験の言語化」の言語が3次元の形になったもの、と僕は捉えました。
体験の言語化にリフレクションシートを使う
僕が「リフレクション」という言葉に出会ったのは今から約6年前。体験学習とリフレクションを専門としている福岡女子大の和栗准教授と出会ってからです。ちょうどテンジン大学を立ち上げる時期。僕は「これだ!」と思い、それ以来テンジン大学の授業に参加した人に書いてもらうアンケートは「リフレクション要素の高い」ものになっています。
今、この授業を体験して、あなたの中に何が起こっているのか?を言語化してもらうためです。
・なぜ、この授業に参加してみたいと思いましたか?
・参加してみて、新しい気づきや発見はどのようなものがありましたか?
・その気づきを明日からどのように活かせそうですか?
このような質問項目を5年半以上、延べ6,000名の参加者に行ってきました。参加回数が10回を超えたあたりの人は、「気づける自分」に気づいており、視点・意識が変わり人生観が広がったという声もいただきました。
全国にある同じようなソーシャル大学の中でも、テンジン大学は群を抜いて「ボランティアスタッフ」が多いです(シブヤ大学は除く…)。それはきっと、このリフレクションシートによって体験を言語化することで、気づきや学びをより深め、アクションに繋げたい!というコチラ側の意図が現れているからなのかな?と勝手に思ったり。
結局、質問される機会を増やすしかない
テンジン大学で延べ6,000名、それ以外の講師・講演等で延べ2,000名くらいいたでしょうか、身近なテンジン大学スタッフや、北九州で地域活動を実践している大学生たち、そしてグリーンバード福岡や小倉に参加していた人たちなどを見てきた限りでは、専属の先生とかではないので定点で追えていないのですが、「人が、自ら学び・成長するには?」という教育者的命題を考えていくと・・・
どのような体験が人を成長させるのか、よりも
様々な視点と時間を変えて何度もリフレクションする機会
がある方が、自ら気づき・学び・成長していく
ということに僕自身たどり着きました。結局、どれだけリフレクションの機会を得られたか。それはどれだけ「その体験は自分にとってなんだったのか?」を問われたり自分で問うたりすることができるか、なんですよね。
つまり、自ら学び・成長できる人は、どんな環境・体験においても「学び方」を知っている人ということに。という結論に今のところたどり着いてますが、これまた僕の視点からのデータも統計もとってないので主観的ないち意見でしかないんですけどね。
そして改めて振り返ると、僕は大学生の頃より拙い日記を付け始め、年末などに全て読み返して振り返りまとめ日記を書いたりしていたのが、今思うと勝手にリフレクションしていたんですよね。もはやそれがクセづいていたので、6年前に和栗先生と出会って「リフレクション」をすぐこれだ!と思って導入したのだと思います。
リフレクション、これを促せる人や手法を知っている人、もっと増やしていかないとですね!