教育・人材育成

中小企業の人材育成はどこからやれば良いのか

2019年11月26日、福岡市博多区の某ホテルにて。日本のものづくり系大企業の系列企業が主催の会に呼ばれ、中小企業経営者や部長級以上の方の前で「若手の育成」をテーマに講演をしてきました。

 

そもそも当事者(企業経営者)でもなく、育成のプロでもない自分がなぜこのテーマで呼ばれたのか?

 

中高生や大学生、社会人、高齢者に研修や講座をつくっていたり、ビジネスでも教育でもまちづくりで育成・研修など実践的な取り組みをしていること、そして「わかりやすく、現代の先端的な情報を盛り込んでいる」ことなどを評価いただいたのか、「若手の育成」でお願いしたいとオーダーいただきました。

 

中小企業の若手育成はほとんど機能してない!?

オーダーいただいた企業からは、以前「中小企業の人材採用について」の講演を依頼されて話していたのですが、そのとき60分で「もっとお話聞きたい、短く感じたので」と、今回80分の講演。いや長いでしょ、と思いつつ。

 

80分はさすがしゃべりっぱなしは、聞いている方々も聞いてるその場から忘れていきますよね。なので、冒頭はチェックイン的な導入のワークを仕掛けました。

 

これは、自社の若手の育成についての「現在地」をふりかえってもらい、数値化・言語化するためのものです。今回講演依頼を受けて内容を組み立てるときに、中小企業の経営者なり管理職の方々が「若手の育成、なんか上手くいってないなぁ」ってそもそも認知できてない可能性もあり、「なんか若手を採用しても、すぐ辞めるなぁ」とか、「なんか若手の社員、優秀なやついないなぁ」とかは認知しているのかもしれない、という仮説を持ったため、作成したワークシートです。

 

さて、これが何を浮かび上がらせたか?

 

ほとんどの企業で「充実していない」側に〇が並び、100点満点での自己採点では10点台が続出。「成果が出ている手法」に至っては、ほぼ全員が「書けない」状況でした。

 

企業の人材育成はどこからやれば良いのか?

社会における「教育」、と広い視野で見ると、幼児期、つまり若ければ若いときに教育投資すれば、成果が出やすい、将来的に社会に配当が跳ね返ってくる、というエビデンスがあります。逆に言うと、年齢が上がれば上がるほど、掛けた教育投資は効率が落ちて配当が少なくなる、つまり掛けた教育投資が無駄になりやすくなる、ということ。

 

企業においても、定年が近かったり、強い惰性の中で仕事をしてきた年齢の高い方に「研修」をしても、それがすぐ仕事の成果に結びつくか?ということですよね。

 

とは言え、中小企業はただでさえ人手不足なのに「育成しているヒマがない」というのは事実だと思います。しかし、若手含め「育成」をしていかねば組織としての潜在力を引き出せる可能性は上がらず、成長や将来性は見込めません。

 

じゃあどこからやれば良いのか?

 

今回、このようなチェックシートをつくったのは初めてですが、想像以上に低い評価を皆さんされました。はずかしくて他社との共有をしたくないくらい、目も当てられないくらい、皆さん自己評価が低かったです。ということで、そもそも認知できていない企業が多そうなので、順番を考えてみました。

 

・自社の育成がどんな状況かをチェックすること

・成果が出ている育成手法の解像度を上げること

・成果を出している若手とその周辺にいる人間関係を明らかにすること

・成果を出している若手がなぜ成果が出るのか言語化すること

 

ここから始めることをオススメします。今回の講演でもお話したのですが、「人材開発」を進めることより「組織開発」を進めていくことの方が、組織としての生産性が上がり、離職率が下がり、持続可能なレジリエンスの高い組織になっていく、と思っています。

 

「人材開発」は、あくまで社員1人1人の能力を開発することに焦点が当たりやすくなるため、社員間の関係性や、組織と個人の「関係性の強化」が置き去りにされやすくなります。このままだと、せっかく掛けた教育投資が離職によって無駄になることも。

 

「組織開発」は、社員1人1人の関係性を強化することに重点が置かれるため、組織としてのエンゲージメントを高めることに繋がります。このエンゲージメントこそ、会社の生産性を高めることに繋がります。そして、組織内の関係性が良くエンゲージメントが高い状態では、人が人を磨き合う風土になります。

 

これは、APU出口学長の言う「学びの4P」とも通じますね。

Peer 仲間

Passion 情熱

Project 課題解決

 

そして最後が

Play 遊び

 

現代の45歳以上の方々は、ある意味成功体験を知ってしまっているが故の、自分たちが施されてきた教育や研修を、無意識に下の世代にもしてしまおうとしたり、現代の若手を見る目がバイアスかかっていることに気づいていなかったりしますよね。

 

ゴールがどれだけ明確になっても、どんなに簡単に行ける方法を知っていても、現在地がわからなかったらゴールまでたどり着く難易度は高いままですよね。



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