教育・人材育成

コミュニティの可能性~関係性のデザインができること~

2019年12月8日(日)、西日本新聞の朝刊「オピニオン」というコーナーに、僕のコラムが掲載されました。タイトルは「コミュニティーの可能性探ろう」。本文の内容(全文)はこちらです。(新聞ではコミュニティではなく、コミュニティーと伸ばすようです)

 

 福岡の未来を“学び”でつくろう。2019年、福岡テンジン大学が新たに掲げたビジョンである。10年に福岡市との共働事業で開校した市民大学は、まもなく参加者数が延べ1万人になる。街全体がキャンパス、誰もが先生にも生徒にもなれる大学で、これまで約450コマの授業を企画してきた。大学という名前は付いているが、本物の大学でもなく教育機関でもない、実態はゆるやかなコミュニティーである。コミュニティーだから年齢による線引きはなく、高校生や社会人や高齢者が混じっていることが授業で見られる風景だ。

教育の世界で先生というと、理論をもとに知識という情報伝達をする人のことだった。しかしながら、伝達という一方通行の学び方は学習効率が悪いことがわかっている。そこで近年、人工知能(AI)が教育に入ることで先生の役割が変わる現象が起きている。生徒一人一人の学習進捗度に合わせ、最適な学習内容をAIが提示してくれることで学習効率が上がるそうだ。そのとき先生は、生徒同士の学び合いを促したりするファシリテーターの役割になって場づくりを行うことでAIと共存できる。

福岡テンジン大学の授業にも先生がいる。先生だけではなく、授業を企画するコーディネーターというファシリテーター役がいる。ここでは、先生は学習の材料としての話題提供者となり、ファシリテーターが対話による学び合いを促していく。この大学がゆるやかなコミュニティーだからこそ、毎回の授業を企画するコーディネーターも、テーマも、先生も、生徒も変化していく。変わっていくことで、人と人、人と街を「学び」を入口に繋いでいくことができるようになる。

今の世界は変化が激しく未来予測が難しいといわれる。教育の現場でも、ビジネスにおける人材育成においても、正解がわからない課題に対話型で学び合う学習スタイルが重要になってきた。そのような「場」をつくることができるファシリテーターが育つには、人が集まる「場」が必要で、コミュニティーにはこの「場」がある。福岡の未来に向けて、多様なファシリテーターが育つ街がどうやったら実現できるのか、コミュニティーの可能性を広げていきたいと思う。

西日本新聞オピニオン「コミュニティーの可能性探ろう」より

 

コミュニティが持つ多様な可能性

近年、コミュニティという言葉がいろんな分野で、いろんな文脈で使われるようになってきました。

 

・地域コミュニティ

・都心部のビジネスマンや商店街などコミュニティ

・ママのコミュニティ

・パパのコミュニティ

・趣味で繋がるサークル的なコミュニティ

・勉強会などのコミュニティ

・オンラインサロンもコミュニティ

 

近年はビジネスにおいても、ファンづくりの先にあるコミュニティマーケティングという言葉も。さらには社会課題解決や地域課題解決において、プロジェクト型で動いていくこともコミュニティといったりすることも。

 

さらには、会社でも雇用形態の多様化が進み、組織そのものをコミュニティ的に運営しはじめている企業も登場しています。

 

この、人と人が集まって「関係性を築いていく」ネットワークの中に、リーダー的な存在やコアな数名がいて、そこを起点に繋がりの線に色を付けていくと、色の強弱はあれどその色がついた塊を「コミュニティー」と呼ぶようになってきたのかもしれません。

 

ここで、本題である「コミュニティの可能性」に目を向けてみると、予防医学の世界では、所属しているコミュニティの数で幸福度や身体的健康度が変わるとか。そして、社会や経済に何かしらのアウトプットをしているコミュニティであれば、そのコミュニティでしか体験できないことで人が成長する機会にもなっていたりします。

 

このコミュニティが生み出す「人と人との繋がり」は、ソーシャルキャピタルの分野でいろんなことが科学的にわかってきています。

 

心身ともに健康にもなり、学習機会や成長にもなり、また人生を変えるような出会いもあり、キャリアチェンジに繋がるような機会にもなる。もちろん人間関係などのトラブルも含めた「プラットフォーム」であるということです。

 

このプラットフォームに、どのような感情・文化・課題・経済を流すかによって、人は関係性を強固にもしたり薄めたり、成長したり立ち止まったりするわけで、ここを「デザイン」できるようになると、多くの人の人生をよりよくする可能性を高められると思っています。



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