2013年、福岡市は10年ごとに策定している「総合計画・基本計画」を改訂しました。その策定に関する審議会委員をしました。この計画を策定する前、福岡市は“あるやり方”で、福岡市民が「まち」に対してどのようなことを考え、どうなって欲しいか、そして計画ができたあとに自分はどう関わりたいか、などを対話し合う場づくりが盛んにおこなわれていました。
(写真は2016年に福岡市役所で開催されたFUKUOKA NEXTでのワールドカフェ)
市民も、市役所職員も、市長も、ワールドカフェ!
これを仕掛けた福岡市役所、すごい肝っ玉だし、すごい先進的だなーとふりかえれば思います。「対話によるまちづくり」を、ある意味実践したんです。そしてこの対話の場に、市長すらいち参加者として座ってしゃべっていたからです。約500人規模の、「未来の福岡」を語り合うワールドカフェも開催されたそうで、それはそれは圧巻な風景だったろうなぁと思います。
そこから何が起きたか?福岡市民の中に「いち市民としてもまちづくりに参加していいんだ!そもそも、まちづくりを考えていいんだ!なんだかまちづくりって楽しそう!」みたいな空気が広がっていきました。
それとともに「ワールドカフェのファシリテーション」ができる福岡市職員が誕生していました。つまり、行政職員の中に「対話による場づくり」の効果・効用を理解した人が増えたことを意味します。その人たちは、きっと市民によりそって、コミュニケーションをして、その後の仕事が変化していったのではないか、と思っています。個人的には(笑)、ファシリテーターをやってた当時30代の市職員はやっぱりその後の要職に就いたり、市役所と外部の多様な人たちとの調整が必要な部署でお仕事されていたりと活躍しています。
ワールドカフェは難しくない!すぐ導入できる!
福岡市内で公民館などの地域に講師として呼ばれたときに「ワールドカフェを体験したことがある人、手を挙げてください」と言うと、ゼロであることがまずありません。必ずと言っていいほど体験者がどの地域にもいます。これってけっこうすごいことだと思います。
一方で、県外の地方に呼ばれて行ったときに、同様に聞いてみると「ゼロ」ということがありますし、手を挙げる人がいたとしても1人とか2人。
でも、体験者が多いからと言って地域の何が変わるのか、僕にはまだまだわかりません。1つ言えることは、体験者が多いと「ワールドカフェをうちの地域でもやってみよう!」「うちの職場でもやってみよう!」という人が出やすくなること。そう思っていると、最近テンジン大学のボランティアスタッフに入ってきた20代の男性が、「職場で対話の場づくりにチャレンジしたい」と相談してきました。
そして、ファシリテーター経験がまだなかったにも関わらず、彼は社内で「対話の良さを体感するためにワールドカフェをやりたい」と提案し、その企画が通り、見事彼は社内でワールドカフェのファシリテーターデビューをしたのです。
彼が職場で「対話の場づくり」をやりたかった理由が、男性比率が非常に高く、「コミュニケーション不足がいろんな諸問題を生んでいる」的なことを言っていました。あると思います。
というわけで、ワールドカフェに必要なのは
・あんまりカタくない雰囲気の部屋
・テーブルとイス
・模造紙
・水性マジック(プロッキー推奨)
・ワールドカフェをやりたいと思う気持ち
です。
これに「リラックスできるBGM」や「カフェみたいなお菓子や飲み物」もあるともう十分でしょう。それとワールドカフェで一番重要なのは、対話するときの「テーマ」「問い」なんですが、それもコツみたいなのがあるんです。(それはまた別の機会に)
ということで、ワールドカフェをやってみたい人はこれを持っておけば誰でもファシリテーターやれますよ!