まちづくりとは?と問われて、あなたは何と答えますか。
おそらくこのページにアクセスした人は、何かしら「まちづくり」に関わるor関心のある方だと思います。この、人によって回答が違う「まちづくり」という言葉について、自分なりの経験をもとに言語化すると・・・
まちづくりの入口
2004年に「まちのそうじ」のgreen birdに参加したのをキッカケに、福岡市・天神地区の社会実験(天神ピクニック)に関わり、その後の2006年の天神エリアマネジメント・We Love 天神協議会の立ち上げ期から参画することになり、2010年に福岡テンジン大学も立ち上げ、その後「学び×まちづくり×コミュニティ」などに関することを、様々な切り口で体験したり、他都市に呼ばれて講演したり研修したり、実践したりしてきました。
他都市でのまちづくりの実践
そして、2022年から大牟田市の「若者発!つながるまちなかづくり事業」として、大牟田わかもの会議をプロデュースして立ち上げ、その後自走するようコミュニティデザインを行って3年。
改めて振り返ると、自分自身ができる(できた)まちづくりとは、都市計画や建築や景観などのハードではなく、人々の営みや活動やプロデュースやコミュニティなどのソフトの事業のみでした。
その結果、持論として「まちづくりとは?」と問われると
「地域における関係性の総量が大きくなること」
が今のところの回答になります。
実はここに行きつくにあたって、2018年からほぼ毎年関わらせていただいている、ハード×ソフトの実践を行っている方々のコミュニティの勉強会とも言えるシンポジウムがあり、非常に大きな影響を受けたのでした。
地域人材育成まで民間の力でできるまちづくり?
2025年11月8日(土)、福岡県久留米市で開催された『九州DIYリノベWEEK』にてコメンテーターなお仕事でした。
九州DIYリノベWEEKとは・・・
2014年に福岡から始まった「不動産オーナーたちによる、DIYで建物や空間を整えることで、入居者が付くだけでなく、地域コミュニティがデザインされ、しまいには家賃上昇と物件価値上昇まで見込める」という、経済性✕社会性な取り組み。10年以上経ち、今では九州各地だけでなく、山口県や長野県、さらには韓国にも飛び火しています。
さらにさらに、この取り組みは国交省の「地域価値を共創する不動産アワード」で大賞を今年取ってます。
自分は大家でもオーナーでもないため、ハードを持たないソフトなまちづくりしかできなかったこれまでの人生。でも、九州DIYリノベWEEKで発表する20を越える各地域の皆さんは、ハード✕ソフトな不動産の取り組みが、建物からはみ出して地域づくり、さらには地域人材育成にまでなっていて、その成長スピードも進化も早い。
自分が約20年かけて体験しながら学び、実践し、まちづくりとは?を突き詰めている中、このハード×ソフトを地域で取り組んできた方々は、ものの数年で「成功事例」を出し、さらに学び合い・共有をしながら、人材育成まで行うフェーズに進むスピードが速く、本当に嫉妬するレベルです。それぐらいすごい。
この「学び合いコミュニティ」に2018年からほぼ毎年関わり、各地域の報告プレゼンを聞いて、まちづくりとしての“学び”しかないです。
ここには、多様性を認め合い、学び合い、フラットに対話しあって、みんなで新境地を探求し合う「関係性」があって、その輪に入ると「地域を活性化する人材」が勝手にどんどん育っていく循環がもうできてます。
日本全国、自治体がなけなしの予算で地域人材育成としていろいろやってるものの(自分もその講師として呼ばれることもしばしば)、最先端の民間による地域人材育成はここにあるやん!って思うわけです。
「地域における関係性の総量」を大きくするとは?
自分が、この九州DIYリノベWEEKの各地域事例や皆さんの発表をもとに学んだのは…
- 地域での拠点化(空き家・空きスペースをコミュニティスペースやイベントスペース)
- 人を集める引力ツール(ワークショップ、イベント、食事会、勉強会)
- 文脈をつなげる(地域や建物の歴史など、過去の関係性も持ち出して、関係性の総量に加える)
これを自身が所有する不動産を起点にやっていること。これをやれば、本当にまちが変わっていくことを実証し続けており、コミュニティができたり人材が育成したりするだけでなく、不動産を通じて経済も動かしているということです。
正直に言うと、こういう不動産オーナーが全国にもっと広がれば、都市>地方になってしまう資本主義の経済圏的構図に、文化圏的構図を持ち込んで人を引きつけるまちづくりが可能になるのでは?と本当にワクワクさせられます。
自治体で、空き家対策、地域振興、地域人材育成、地域コミュニティ推進は、それぞれ縦割りだったりしてバラバラで動いていることがほとんどです。ですが、この民間の動きはそれらを全部まるっと一気に解決まで導く力を持っています。
まちづくりの未来?
この九州DIYリノベWEEK、今年の最後の発表では、昨今のAIを駆使して20歳の海外の大学に通う若者による「地域に関係性が作れる個性的な不動産(ここでは共感不動産と読んでいる)」の、過去のデータや取材記事、オーナーや管理人が語ってきた内容や論文等をAIに読み込ませ、不動産に人格を付与するという実験の発表。
※福岡市博多にある、国登録有形文化財にもなった集合住宅「冷泉荘」を、AI冷泉荘くんとして人格を持たせて、しゃべらせること
ここでは、人格と言わず「ビル格」と呼んでいます。すごいのは、過去の様々なDIYリノベ事例のデータも食っているため、「空いた部屋」について問うと、どのような間取りや手法や家賃で展開したらいいかを答えてくれる、というところまで来ていること。そのうち、「ビルの改修計画」をAIビルが自分で判断して計画するという未来。
そして、その大学生は最後にこう語ってくれました。
「地域に共感不動産が増えることで、ビル格化したAIビルたちが語り合い、まちの未来、都市計画までできるようになれば、まちの人格化までいけるのでは?」ということ。
地域におけるまちづくりの最先端を学び合う、九州DIYリノベWEEK、恐ろしいながらも関わらせていただいて、これを自分なりにも様々な地域や人に還元していけたらと思った次第です!
<参考>
- 九州DIYリノベWEEK
- 国登録有形文化財となった冷泉荘
- まちのそうじをする green bird
- 天神のエリアマネジメント団体 We Love 天神協議会
- 学び×まちづくりの 福岡テンジン大学
- 若者のまちづくりコミュニティ 大牟田わかもの会議









