ファシリテーター

対話と学びのある場をつくるファシリテーターの仕事

2025年度に入り、あっという間に7月も中旬。4月から6月までの3カ月間、様々なお仕事の相談をいただき動き回っておりました。2019年度から2024年度までの4~7月は、「北九州市立大学のキャリアデザイン」という講義15コマを行っていましたが、カリキュラム改定が入りついに終了になりました。これまで、眞鍋先生とともに二人三脚で(2023年度だけ1人で)、約1,300名ほどの受講者がいたんだなーと感慨深いものがあります。

キャリアデザイン講義がなくなったスキマに、これ見よがしに相談が舞い込んだ3カ月でもありました。沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり、ということでふりかえってみると、改めて「対話と学びのある場」をつくっていく相談がほとんどだな、と思いました。

ということで「対話と学びのある場」をつくり、デザインしていく仕事について紹介してみたいと思います。

「対話と学びのある場」とは?

一番シンプルに「対話と学びのある場」を表現すると、それは「環境」です。

“場”と書くと、時間や会場が「区切られた空間」、いわゆる授業・講座・研修・ワークショップなどの場面をイメージされます。もちろんこれ“も”ですが、時間や会場を「区切らない」場面でも“場”が存在します。

例えば

・学校の1年間の同じクラス

・会社の職場や部署

・プロジェクトチーム

・コミュニティ

要するに、人が複数集まって集団を形成、そこに目的があっても無くても、「継続した何かしらの活動」が存在するという集団という“場”です。

この短期的な「授業・講座・研修・ワークショップ」から、時間軸の長い「チーム・クラス・職場・コミュニティ」までの、物理空間を含めた「人に情報刺激を与えるあらゆるモノ(人を含む)」という「環境」を、どのように設定したりデザインしたりするかのファシリテーション。

要するに、そこにいる人たちに「どのような関係性をつくるか」「どのような思考を生み出してもらうか」を整え、「どのようなコミュニケーションを重ねていくか」をファシリテーションするか?を、様々な手法を通して(主にコミュニケーション)、対話と学びを促進させていくか?が、自分の仕事になっているということになります。

今年度いただいた相談では

・新入社員の研修プログラムを刷新したい(どのような学びや場をつくれば良いか?)

・会社全体の人材育成の仕組みがないから、そもそもから組み立てたい

・会社のビジョン、ミッションを再構築するのを、全社員でやりたい

・新卒採用の面談を担当する現場のスタッフたちの研修をしてほしい

・会社やまちの歴史の文脈を社員に実装させたい

などです。

これまで、地域や教育の文脈でのリーダーシップやファシリテーションなどの研修等の依頼は今もありますが、近年は企業からの「人材開発」に関する相談がジワジワ増えているなーと思っています。

人と人、人と地域を繋ぐ「コミュニケーションを学ぶ」

最後に、授業・講座・研修・ワークショップ等で、どのように場づくりをしているのか?の事例を紹介したいと思います。

つい先日の7月10日(木)に、北九州市内に約120館ほどある市民センター(福岡市で言うところの公民館)の、全館長の研修の講師を務めました。

参加者約120名、150分のプログラムを作成し、一人で講演部分とワークショップのファシリテーション部分を回します。テーマは「コミュニケーション」ですが、市民センターの館長なので「地域の多様な人たちと、円滑にコミュニケーションができるようになることで、市民センターがより地域活動等の拠点として育っていってほしい」という課題設定からの「コミュニケーション」です。

これを「対話と学び」を盛り込んだプログラムにしたタイムスケジュールは

<タイムスケジュール>

・ごあいさつ(2分)
・問いかけ+自己紹介(5分)
・チェックイン「あなたの人間関係構築力の点数は?」(15分)
・話題提供①:幸福度の高い地域には何がある?(25分)
・ワークショップ①:今の地域・センターの現在地は?どんなセン・ターにしたい?(30分)
・休憩(10分)
・話題提供②:人間関係構築について(20分)
・ワークショップ②:コミュニケーションスタイル診断+問いへの言語化(30分)
・ふりかえりシート記入(8分)
・共有&終礼(5分)
・終了

上記のハイライト化している個所が、いわゆるグループで「考えたことを共有」しています。このとき、ワークシートを用意して、そこに「問い」が書いてあり、その問いに対して「言語化」したものを書く時間を設け、書いたことをグループ内で発表しあうワークです。

約120名いますが、話題提供という講演箇所もあり、考える時間、対話する時間もあるため、多くの方が「楽しく」「時間もあっという間」に感じてもらえる構成です。

後日、リフレクションシートを全員分、データで共有いただきましたが、「対話のある学び」は、いわゆる「学び合い」のため、『学んだことが全員一緒ではない』ことがわかります。

このような「環境」を、短期にも長期にも「デザインしていく」という仕事が、「対話と学びの場」をつくるお仕事です。



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