ファシリテーター

“場”をデザインできるファシリテーターの仕事を請けられるようになるには?

講師・講演の相談やお問い合わせをこのブログからいただくことが増えてきていますが、その中で近年出てきたのが「ファシリテーションを学べる講座の講師をお願いできませんか?」です。それとともに、自治体の事業で市民と一緒に「対話」が必要な場面でのファシリテーションの依頼も来るようになりました。

 

世の中は、地域でも男女共同参画でも、プロジェクトでも事業でも、ソーシャル分野でもビジネス分野でも、「多様な背景を持つ人たちで対話をする“場”」の需要が高まっているように感じます。それとともに、そんな“場”をデザインできる人が、必要とされるケースがでてきているようです。

 

ファシリテーションができる人はたくさんいるが、“場”をデザインできる人は少ない

近年、僕に「事業・プロジェクトの進行、会議体の進行における“場”のデザイン」について仕事として相談をくれる方に聞いてみました。「他に人材はいないのか?」。

 

出てきたのは「多様なケースで、事前打ち合わせをして、一緒に伴走してくれるファシリテーター」がいない、ケースバイケースの「“場”についてデザインできる」人が限りなく少ないそうです。ようするに「特定の人たち向け」「特定の環境」「特定のパターン」でファシリテーションができる人は各業界にいるものの、「今回はこんな人たちと、こんなゴールで“場”をデザインして欲しい」という相談に答えられる人、が数えるほどしかいないということ。僕も相談されて、他にできそうな人は数名しか思い浮かびません。

 

この相談に柔軟に対応するにはサラリーマンではまず無理で、ファシリテーションできる大学の先生たちもスケジュールがなかなか合わせにくく、ビジネスのファシリテーターはそもそもソーシャル分野には疎く、で、結局いろんな業界をまたいで話ができ、相談者の年齢に近い僕に白羽の矢が当たってしまうようです。

 

と、それだったら「需要はあるのに」、いつまで経っても同様の「“場”のデザイン」ができる人は育たないし、現れないのでは・・・。

 

多様な“場”のデザインを学ぶには実践が一番!

僕は多くの人に言うとびっくりされますが、人生で一度も「ファシリテーションを学んだ」ことがありません。講座やセミナーを受けたことがないです。日本ファシリテーション協会に属してもいません(入るか迷ったことはあるけど)。本は何冊か読んだことがありますが、その程度です。

 

始めてファシリテーターとして“場”のデザインを実践してみたのは2009年の「テンジン大学開校に向けた説明会」なるものをやったときです。あとは、ファシリテーターがいる対話の場に何度か参加したことがあるだけ。

 

いつからか「ファシリテーターの仕事」の依頼が来るようになったのですが、その背景には、2010年のテンジン大学開校以降、常に“場”のデザインをする「授業企画と運営・進行」という実践を積み重ねてきたことが相当大きいです。完全に独学です。しかもこの“場”は毎回テーマも参加者も違い、会場も時間も違うデザインの実践になります。それ以外にも、教育機関から授業の相談があったら「アクティブラーニング」要素を入れるようにデザインして実践したり、地域で高齢な方々を相手にデザインして実践を繰り返してきました。

 

「中学・高校生向けに」
「大学生向けに」
「女性のみに」
「高齢の男性のみに」
「地域の町内会など役員や委員の方々に」
「自治体の職員に」

と仕事と同時に実践の場がやってくるようになり、いつの間にか、ほぼあらゆる年代の“場”のデザインの引き出しみたいなのが蓄積されていき、多様なケースでもなんとかデザインできるようになったようです。

 

でも本音としてグラフィックデザインも、WEBデザインも、空間デザインも、そして“場”のデザインも「正解がない!わからない!」ので、いつも「これで良いのかなぁ?」という疑心暗鬼と不安を持って事前にシミュレーション&タイムスケジュールを引いて挑んでますけどね(笑)

 

ただ言えることはひとつ!実践あるのみ!

 

お金をかけずに、ちょっとの時間と勇気があれば実践できますよ。そう、テンジン大学のスタッフならね★(高校生から60代までいますよ~)

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