テンジン大学

大人の学びを考える~人生100年時代に何を学ぶ?~

「人生100年しかないから、やりたいことをやる」。
こう言い放ったのは13歳の中学生の中井けんとくんです。

2019年3月23日(土)の天神イムズにて、福岡テンジン大学の授業「おとなの学び方とは~”学ぶこと”ってなんなのか会議~」という授業を開催しました。この日の先生は、最年少記録を塗り替えることになった13歳が先生です。中井けんとくんは福岡に住む中学生で、「学校に行かない」という選択をし、自ら学校の勉強はスタディサプリを活用しています。それよりも「人生100年しかないから本当に自分がやりたいことをやるし、そのために学ぶ」と社会人が行くようなセミナーに参加したり、自らクラウドファンディングしてイベントをプロデュースしたりしている超行動的な13歳。

ここに全く異色な2人も先生として登壇しました。

1人は、東京大学・院を卒業後に外資系企業からシリコンバレーに渡り起業を経験、カリフォルニア州立大学の教授を経て(グローバルエリート!)福岡工業大学の理事である米田達郎さん。

もう1人は、「JR博多シティ」や天神の水上公園「SHIP’S GARDEN(シップスガーデン)」の名付け親であり、広告代理店と組んでひたすら企画書を書きまくってきた言葉の魔術師であり(福岡の中では)プランナーの巨匠・中村修治さん。

そこに福岡テンジン大学の学長をしつつ、中学・高校・大学での授業から社会人・ビジネスマンの研修、地域での講演やファシリテーターなど多世代の「学びの場」をつくってきた僕を加えた4人で、2時間の授業を開催しました。

おとなの学び方とは~”学ぶこと”ってなんなのか会議~

 

人生100年時代を象徴する中学生の学び方

授業では、まず参加者の名札に「あなたオリジナルの“学び方”があれば教えてください」という質問項目があり、皆さん書かれている回答がバラバラ!まずはこれを起点に自己紹介し合うチェックインからスタートしました。

そして中井けんとくんの登場です。彼は一度、僕の九州産業大学での講義:ビジネス入門にてゲストとして来てもらいしゃべってもらったことがありました。

彼の壮絶な小学生時代に起きた「原体験」、そこから「よし、学校いくの辞めよう!」と行動を起こしていき、今の「こどもばんぱく」の開催やこれからやりたいことなどを語ってもらいました。

この話のあとに、上記の大人が3人加わり4人でトークセッション!

けんとくんの講演を聞いてどう思ったか?

まず口火を切った中村修治さんは、「俺が中学生のときなんてエッチなことしか考えてなかった~。」から始まり、「(学校の不良も、マジメなやつも)共通言語が下ネタで、人間関係構築できた」というところから話がスタート。

米田達郎さんの分析や僕の見立ても加えて大人3人が捉えた「彼の学び方」は、けんとくん自身の“体験”から「自分や事象をメタ認知する」思考を習得し、ポジティブに捉えて行動のエネルギーに変えていく術を身に着けていき、「人生100年しかないから」という逆算によって自己評価して行動を着実に進めていってる、というサイクルの回し方。

そして「なぜ?」けんとくんがこれをできるようになったか?が、彼は「絵本をつくろう!」「小説家にもなりたい!」と表現活動を始めたこと。絵にしたり、言葉にしたり、自分の内面を表現することで「自分との向き合い方」を自然と習得し、それが学校に行かない選択をし、好きな読書と並行して社会人と交わっていく機会が増えたことで「言語化スキルが勝手に向上した」こと。

つまり

「体験したこと・心が動いたこと」を「言語化して表現」し
他者評価の前に「自己を評価して褒め・受け入れる」ことでエネルギーに変換し
それが「これやりたい!」の種になり
また「読書・人の話を聞く」というインプットになり・・・
以下サイクル。

何より大人3人が驚いたのは、大人のこうした抽象化していくトークに違和感なく入ってきてコメントし、そのコメント内容がまた違和感のない大人の発言であったこと。

さらに驚くべきは、僕が「じゃあ時間もそろそろなので、けんとくん、このトークセッションどうだったか聞いて終わりにしましょう。どうだった?」と問うてでてきた返答「やっぱり下ネタを話せるようになるといいって学びました!」とオチを付け大爆笑を起こしたこと。

あとから聞くと「落語が好き」だそうで、膨大なインプットがあったから自然とそれができたのかもしれない。やはりインプットは大事だ!!

ちなみにモデレートしつつ自分もしゃべっていたので、すごく雑なグラフィックレコード。

 

言語化スキルを高めて再現性を高めよう

そして結論は「言語化」だったんだと思う。体験からの学びを「言語」にし、表現することで自己や他者からの評価・フィードバックが起こる。

「その体験が何だったのか?それで何をしたのか?」をグルグル回せるようになると、人生に起きるあらゆる不幸な出来事も「学び」になっていくし、それが行動の起きやすさをもたらす。つまり人生の解像度が上がること。そして何より起きた事象を解決したり学びに変える再現性が高まること!そんなことを改めて学ぶことができた貴重な2時間になりました。

 

さて、そんな中井けんとくんは現在「第2回こどもばんぱく開催」に向けて、クラウドファンディング中です!
中井けんと:九州発!こどもが作るこどもイベントをパワーアップ開催したい!



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