地域・まちづくり

大牟田わかもの会議のつくり方①

2022年、新たに始まった仕事の1つに大牟田市からの仕事で「大牟田わかもの会議」があります。2022年が始まった頃だったかその前だったか、知り合いが「繋いでほしいと言われているから繋ぎますね」と言われ、大牟田市職員が天神のオフィスまで訪ねてこられました。

消滅可能性都市“大牟田のイマ”

福岡県最南端に位置する大牟田市。調べてもらえればすぐわかりますが、かつての石炭産業で栄え、人口が最大だった1959年の約20万人。以後、産業の変化や時代の変化もあり人口は減少。西鉄の終着駅である大牟田駅の1つ手間、新栄町駅の前はデパートが閉店して10年ほど経ち、土日でも駅前の人通りはとても寂しい状態。

人口は2022年現在で約11万人と半分近くになってきており、人口ピラミッドはもちろん非常にいびつな「高齢者が多く、若くなるほど少ない」構造。

大牟田市の人口の見通し(2018年、国立社会保障・人口問題研究所の発表)によると、2020→2030年の10年間で15歳から34歳までの若年層は、約16,700人→約13,400人と、3,300人の減少で、その年代の人口は約20%減少という大きな減少幅が予測されてもいる!!すごい減り方。

長崎の若者会議をモデルに

2015年より国策で始まった「地方創生」。様々な計画が新栄町周辺で動こうとするも、進んできませんでした。そんな中、大牟田市の有識者・有力者たちへのヒアリングで「若い人たちのアクションを応援したい」というコメント。そして、2010年代より全国の過疎地域で(主に自治体が事業として主催している)「若者会議」なる取り組みの広がり。

大牟田市は長崎県長崎市で2019年度よりはじまった「ながさき若者会議」をモデルに、大牟田市でもこれをやろうと!と市役所内で計画がはじまったようです。

※長崎は県でも別の「NEXT長崎ミーティング」なるものがスタートしてます。こういうの、一緒に連携したりしてやるなりネットワーク組むなりした方が相乗効果もあるのにと思う。

そして「令和4年度・大牟田市 若者発!つながるまちなかづくり事業」として事業予算も組まれてやることになったようです。

全体の事業プランニングを頼まれる

もともと相談をもらっていて、その段階では予算はよくわからず、具体的に何をどうするかなども話し合っていたわけでもないのですが、フタを開けて見れば(2022年の4月が始まってみれば)、「担当者が課長とともに異動で全員変わっている」という衝撃的な状況からのスタート。さらに市が想定している事業内容と、それに伴う予算が釣り合っていない(と感じました)。

さらには、自分は福岡市の出身で育ちも福岡市。大牟田市は大人になって何度か行ったことがあり、グリーンバード大牟田チームが立ち上がったキッカケにはなったことと、銀座通り商店街を中心に、「DIYリノベ」の手法でこの10年ほどで空き家を次々に開店させていった冨山くんが「大牟田ビンテージのまち」というまちづくり会社を立ち上げていることを知ってるくらいの関係。

とても分が悪い状況&予算も厳しい状況ながらも、この正解がわからない難しい事業の設計から運営、若者たちをリーディングしていくコーディネーターということ、「大牟田ビンテージのまち」にフォローに入ってもらえるならやる、という条件付きで引き受けることにしました。

初年度から動き出して賑わいをつくった若者たち!

「大牟田でなんかありえないことが起きてるじゃないですか」と福岡でまちづくり関係の仕事もしている人から言われた年末。大牟田で「大牟田わかもの会議」がいろんなところで話題になっているらしく、かつ、12月24日(土)のクリスマスイブに西鉄大牟田駅前の広場で、この「大牟田わかもの会議」の参加メンバーたちがチームを組んで、いきなりでっかいイベントをやってしまいました。

『音楽で街を盛り上げたい!! あすXマスパーティー 「大牟田わかもの会議」 駅西口広場で』

10月に発足した大牟田市の「大牟田わかもの会議」の会員が実行委員会をつくり、24日午前11時~午後8時、JR・西鉄大牟田駅西口広場で音楽と出店を楽しむ「クリスマスパーティー」を開く。高齢化率37・6%(10月)に達し「若者をあまり見ない」と言われる市内に新風を吹かす。 会議は若者の地域作り企画を目指して市が募集をかけ、市内や北九州市などの高校生から30代まで約40人が参加している。中心街を歩いて意見交換を重ね、第1弾として市玄関口でパーティーを企画した。市は会員の企画実践について当初2023年度を想定したが、…

毎日新聞の記事より

毎日新聞さん、ナイスな切り口の記事です!!ありがとうございます。

2022年の10月1日(土)にキックオフミーティングとして、集まった若者たちと対話と学び合いをスタートさせてわずか2カ月ほどで、「こんなことしたら楽しそうじゃない!?」「ちょっとやってみようよ!」というチームが急遽立ち上がり、実現までこじつけ告知開始。そして当日は朝は最低気温5℃以下くらいまで下がる条件の悪さにも関わらず、会場は多くの人が夜までいたという盛り上がり・・・。

駅前広場の構造上、何名くらいが来訪したのか?計測もできそうにないんですが、いったいどれくらいの人たちが来てくれたのだろう。

自分も高速道路が積雪等で動かず都市高速も大渋滞で1時間半ほど降りられずで、(子どもたちを連れていたので)西鉄電車に乗り換えてなんとか、なんとか15時ごろにたどり着いたその瞬間、西鉄電車を降りて改札を出る前から「楽しそうな音楽と声が聞こえる・・・」んです。

あーこれは「駅前がなんか楽しそうな空間になっている」という印象を多くの西鉄電車を利用した市民たちが思うくらいの、すばらしい景観が創られていることがわかります。

大牟田地元の新聞紙、有明新報さんも取材をしてくれました!(え?一面?)

※記事の転載は基本的にダメだと思うので、中途半端ながら・・・

大牟田わかもの会議をどのようにつくったか?

さて、10月1日(土)に初めて集まった若者たちが、どのような体験をし、対話をして今にいたるのか、その事業のプランニングから、場づくりまで、他の自治体やまちづくり・地域おこしをしている方々の参考になるかわかりませんが、言語化にチャレンジしてみようと思います。

ということで、次回!



関連記事

  1. 元岡の地域力がすごい!祭りとワークショップをまちづくりに活かす

  2. チキン南蛮はマーケティングを超えた商品力を持っている

  3. 意外と知らないサンセットライブの裏側

  4. パルコ新館OPEN!から見る流通戦争

  5. 地域活性と教育が結びついてきた!

  6. ファシリテーション研修~人と人、人と地域、人と街をつなぐデザイン~

  7. 天神・博多のまちづくり~エリアマネジメントのこれから~

  8. 仕事以外にも活動を持とう!ボランティアのすすめ

福岡の歴史絵本をつくりました