福岡ごまさば部

福岡・博多は”ごまさば”!なのにアニサキスにやられた!という人に出会わないワケ

テレビなどで少し前に話題になった「アニサキス」。日本近海で獲れる青魚には必ずといって良いほど寄生しているらしいですね。芸能人も「アニサキスにやられた!」「死ぬほど痛い!」みたいなことを発信していて、とくにサバの刺身を食べたと言ってる人も多いみたいで。

 

で、北部九州で獲れた真鯖の刺身を関東等のスーパーに卸してる(株)ジャパンシーフーズ(福岡市本社)に務めている友人が「アニサキスが話題になってサバが売れんとよー」と言ってました。

 

ちょいと待ってください!

 

ここ福岡では鮮魚を扱う居酒屋にはよくおいてある「ごまさば」(という料理)、これは生の真鯖をしょうゆ・ごま・みりんなどの調味液に漬けただけの簡単な料理で、美味しいしお酒もススム人気料理です。で、この「ごまさば」しかり、サバの刺身しかり、福岡ではそんなに珍しくないにも関わらず、これまで一度も「アニサキスにやられた!」という人に出会ったことも、聞いたこともありません。

 

アニサキスがいないわけではないのに生で食べられる2つの理由

テレビや新聞などのメディアで「九州のサバは生で食べても大丈夫」という記事や特集は、もちろんしっかりと裏付けのもと解説されたようですが、この「大丈夫」の部分だけが一人歩きしてしまってようで、実態をよく知らない人もまだまだ多いのではないでしょうか。

 

例えばこの記事のタイトル。タイトルだけ見ると「マジで!」ってなりますが、記事ちゃんと読むと書いてます。

「福岡の生サバはあたらない? 秘密はアレの違い?」 (朝日新聞)

 

日本海で獲れるサバと、太平洋で獲れるサバの違いは「アニサキスの違い」です。海は繋がってるし、サバの中でも真鯖は寒流にのってやってくるので、どこでどう違うのかわからないんですが、太平洋で獲れるサバは「身にもアニサキスが付いてる」そうなんですが、日本海で獲れるサバは「身にアニサキスが付いてる確率がはるかに低い(100分の1)」だそうです。その確率の違いをみると一目瞭然!(上の朝日新聞記事にその記載あり)

 

ただ、サバ・アジを大量に仕入れて卸してるジャパンシーフーズの友人も「鳥取で獲れたものでも、長崎で獲れたものでも、アニサキスが身についてる可能性は0%ではない」そうで。日本中の生のサバを扱い小売に卸している加工企業も、企業努力も相当しているそうですが(だってアニサキス出たら営業停止になるんだよね、確か)、0%にする技術はまだどこの企業もできてないそうですよ。

 

もう1つの理由は、サバを捌く人(魚屋・料理人)がしっかりと内臓とって、身にアニサキスが移動してないかなどチェックしてるから。実はこれがけっこう大きいんじゃないかと思います。福岡市でも「アニサキス症」が出たという症例は、2016年に8件あったそうですが、うち半分は「家庭」だったそうです。サバかどうかまでは追えませんでしたが、釣ってきた魚を捌いたりして刺身でいっちゃったら、可能性は高くなりますよね。

 

ちなみに、日本海側のサバに寄生するアニサキス(ピグレフィーという種)は「人の胃に入っても悪さをしない」というブログ記事も見つけましたが、なぜ悪さをしないのか?がわからないままなので、これは引き続き調べてみたいですね。

 

でも一つ言えることは、僕はこの福岡で「(外食して) 生のサバを食べて、アニサキスにやられた!」という人に一度も出会ったことがないということ。

 

日本一美味いのは長崎五島沖のマサバだ!

福岡・博多の郷土料理みたいになってきてる「ごまさば」。ここ30~40年の道路インフラや冷凍技術、インターネットによる情報拡散で「ごまさば」が一般的になってきました。そのへんの詳しい事情は下記に書いてます。

 

サバで有名な大分の関サバや、宮崎のサバも食べましたが、真冬の長崎五島沖で獲れるマサバ以上に美味いサバに会ったことはありません!!福岡の長浜漁港にもサバの水揚げがありますが、冬の長崎五島沖とか韓国済州島沖とかのサバが出回りますが、けっこう値がはります。

 

その長崎五島沖のサバの水揚げが一番多いのが、長崎県の松浦市にある松浦漁港。そしてこの漁港で朝一番に揚がったサバが朝5~6時には福岡市に到着し、工場で三枚におろされて、朝8時の飛行機の便で東京に飛んでいることを知っていましたか?

もし関東のスーパーで「長崎県産、サバ刺身」がおいてあったら、ほぼ間違いなく、福岡市にあるジャパン・シーフーズという会社が松浦漁港から揚がったサバを福岡市で捌いてるサバですね。ちなみにジャパン・シーフーズは、「アジの卸しは日本一」だと思われます。自称ですが、いろいろ調べた結果、日本一だそうです。(どう調べたか聞いたけど、忘れた・・・)

株式会社ジャパン・シーフーズ

 

この会社がつくってる、フィッシュゼラチンによるアジ・サバ・タイのお茶漬けはおいしいですよ!かつ、見た目もおもしろくて「生」なんですけど賞味期限がほんの少しだけ長いこともあり、ギフトにも最適。これまで友人・知人にけっこう送ったりしました。

 

こんなやつ!見た目もいいし、お湯掛けて溶けていくのがなんかおもしろいからオススメ!

※画像引用:(株)ジャパン・シーフーズ 鯵本舗「海鮮贅沢茶漬け」より

 

アニサキスを気にしたことが一度もない福岡人たちのサバを食べてご覧なさい!

ということで、長崎県産のサバは間違いなく美味いです。そして、まわりで「ごまさば」が出てきたときに「アニサキスが~」とか言ってる人、いままでいませんでしたからー!!
まぁ、自然のものなので100%ではないんでしょうけど、自己責任で(笑)。一応、西日本新聞の記事も貼っておきます。

アニサキス、九州のサバも要注意 すぐ内臓を取り除き、よくチェック(西日本新聞)

 

真冬に獲れた長崎五島沖の真鯖が魚屋の生け簀にいたら、1匹購入して三枚におろしてもらい、自宅で「ごまさば」に。もう最高ですよ。

 

手頃に「ごまさば」を味わいたいのであれば、福岡市中央区の長浜にある市場会館1階の魚辰という回転寿司屋がオススメです!

2014-1109_2

 

216円ですよ、たぶん福岡最安値です。

 

あぁ、早く冬にならないかな、食べたくなってきた!

 

追記!

福岡の老舗醤油メーカーであるジョーキュー醤油が、「博多ごまさばのたれ」なるものを店舗で販売がはじまっていたので、ジョーキュー醤油社長のKさんい「これネットで販売しないんですか?」と突いたところ、ネットショップにて販売がはじまってます!

博多ごまさばのたれ/ジョーキュー醤油

 

既出のジャパンシーフーズの、アジやサバを購入して、ジョーキュー醤油のごまさばのたれと組み合わせて召し上がってみてください・・・たまるかっ!(もうほぼ居酒屋で出てるレベルなものになりますからー)

 

※追記!

2020年3月よりライターをしている、福岡の今を発信するWEBメディア「フクリパ」にて、ごまさば決定版の記事を公開しました。

【ごまさば記事決定版!】冬が旬!“ごまさば”はなぜ福岡の名物になったのか!?



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福岡の歴史絵本をつくりました