九州大学には21世紀プログラム課程という不思議な名前を持つコースがあります。名義上は学部でも学科でもありませんが、このコースの学生たちはAO入試で何かに飛びぬけたものを持っていたりするような子たちが集まっています。
なぜか縁をいただき、この21世紀プログラムの1年生の学生たちの夏休み明け1発目の「特別授業」の講義(3時間30分もある)の先生を毎年しています。今年で4年目(てことは最初に受講した子たちもう4年なのかー、はやっ!)
思えば北九州市立大学の特任教員をはじめて4年目ですが、北九大の地域創生学群の学生たちもAO入試なので、高校時代に生徒会長なんかをやってたような子が多かったりする共通点があるので、21世紀プログラムの子たちも「コミュニケーション力はそもそも高い」です。
で、そんな意識もコミュニケーション力も高い学生たちにどんな授業をすれば良いのか?なぜ僕なのか?
九州大学として、大学改革の1つとして始まった21世紀プログラムというコースの取り組み。確かにすごい&おもしろい学生が多いです。そして留学だったり学会だったりインターンだったり、既存の講義とは別に実践型の課題もあったりして「社会的なスキル」もすでに高かったりします。そこで1年生の段階の夏休み明けのタイミングで、大学内の先生では提供できないようなコミュニケーション力を向上したり、自分をふりかえって客観的に見れる視点を養ったり、チームワーク力を高めるような授業を外部の講師を呼んで提供する、となったそうです。
で、なぜか僕に白羽の矢が当たったようで。
今年で4回目ですが、講義の内容は毎回少しずつ変えてきています。1年経つと新たなワークショップの手法やファシリテーションの技法などが身に付いたりしているので、どうしても変えたくなるというか、常に自分ができる最高の授業を提供したい、という思考が働いてしまうようです。
自分をふりかえり、無意識を意識化する
もともとコミュニケーション力が高い学生たちですが、それはたまたまそんな遺伝子か、育った環境がそうさせただけで意図してコミュニケーション力を鍛えたような学生は、いたとしてもごくごくわずか。なので、この講義では全員に「今まで無意識だった部分の自己のコミュニケーションを意識できるようにし、よりコミュニケーション力が向上するための土台をつくる」ことをやります。
体験 → ふりかえり → 共有 → ふりかえり
主にこのパターンで、気づきを深くし、その気づきを言語していくために冒頭の写真のようなワークシートを使って講義を進めます。テキストはありません。目で見て、体感して、思考して、それを話して、人の話を聞いて、その体験をふりかえり、言語化する。
今回はこれを徹底的にやるようなプログラムにして
・コミュニケーション
・コーチング
・強み
・チーム内でのリーダーシップ
・言語化の重要性
などを学んでいただきました。そして無意識の意識化がクセ付けできれば、学びや成長が自走していくので、それを体感してもらいました。
3時間30分もあると、みっちりリフレクション(ふりかえり)ができるので、この毎年の九州大学での講義は楽しい!リフレクション後の発言や、その発言に触発されたほかの学生の発言など、自分たちでより学びを深くしていく現象を毎年見れるのです。
で、今日で確信したのは自分は「ラーニング・ファシリテーター」なんだなと。僕自身、何かすごい話ができるわけでもなく、ちょっと福岡の街で地域活動(グリーンバードやテンジン大学)をやってるだけで、広告の仕事ずっとやってきたからコミュニケーションについて少しは深く知ってるだけで、幅広く好奇心があるからいろいろ調べたり本読んだりしただけで、ぜんぜんすごくない。でも「学びを促す」ことをプログラムとして開発したり、ファシリテーションやコーチングしたりの現場を多く持てているので、この分野ではプロなのかもしれない。
だから今度から自分のこと、ラーニングファシリテーターっていう肩書というか職種も加えようと思った。