社会の動き

求人情報と求職者情報が入ってくるから繋ぐと採用が決まったりする話

インターネットって本当にコミュニケーションの形を変えてしまったし、情報伝達のスピードやその経路を根本から変えてしまったというのを痛感します。Facebookをやっていると、これまで出会ったいろんな方々と「友達」として繋がることができるのですが、近年ある情報がよく流れるようになってきました。「こんな人を募集しています」という求人情報です。

 

採用コストはかからない

行政マンから企業採用担当者から社長まで、いろんな職業の人がいるので「こんな方を求めています、どなたかいらっしゃいませんか?」とFacebookのタイムラインに載せている方が増えました。実際にそれで人が動いているからでしょう、ここ1年は本当によく見かけるようになりました。

 

これ以外にも直接「こんな知り合いいませんか?弊社で人材募集しています」とメッセージをもらうことも出てきました。大手の企業はこんなことしませんが、採用コストをあまり掛けられない中小企業は、ネットワークから求人をするのはインターネットが登場する前からありましたが、インターネットそしてSNSがそのスピードを加速させ、コストを極端に低くしてしまいましたよね。

 

で、魅力的な企業や社長さんが「求人情報」を出したら、必ず反応する人がいて、その企業・社長さんのために「人探し」をする人までいます。僕もとある東京本社の企業の社長さんが求人情報を出していて、「福岡で働ける人を募集したい!」というのも直接メッセージをもらったことから、誰かいないかなぁと意識していたら「そんな人が出て」くるんですよね。

 

そして紹介したら無事、転職が決まり、入社後にわずか数カ月で営業目標達成率で2番を獲得し、成長著しいやる気に満ちた人材として評価されています。ここにいたるまで、採用コストは実質社長さんがSNSに書き込み、紹介して会ってもらった時間、のみ。後日、お礼をしてもらったりしましたが、求人情報を広告的に取り扱う仲介会社や、エージェントを置いて採用活動を行う会社に支払うコストを考えると雲泥の差!

 

多様な繋がりを持つ個人がエージェント機能を持つ時代

つい最近、テンジン大学のスタッフであり、海外赴任経験のある英語のできる方から「福岡で働きたいけど、自分のスキルを活かせる良い求人がない」と相談をもらいました。そしてまた意識していたら、そんな求人情報が飛び込んでくるわけですよ。

 

すぐさま紹介し、その企業も人も動いたりする。全然ビジネス目的でも仕事でもないのに、紹介して感謝される。感謝されるということは、これをそれなりにしっかりやれば「ビジネスになる」ということでもあります。

 

シェアリングエコノミーは人材採用業界も飲み込む

目に見えないモノのシェアリングからはじまり、物理的な車・家などまでがシェアされる時代。ちょっと高度な「信用」までもがある意味シェアされていってると感じました。そんな人の採用活動は、企業にとっては優秀な人材を獲得するためには多大な「コスト」がかかっていたのですが、この業界が今、いろいろと動いていますね。

 

新卒採用という日本経済の根幹の文化も、インターンシップが広がったり、人との繋がりだったり、逆求人だったり、入口と出口が主に1つだったのが、いろんな手法が出てきたりいろんな企業が参入したりしてかなり多様化してきています。

 

中途採用に関しては、ヘッドハンティング会社やエージェント会社に支払うコストより、もっと効率的な仕組みを作ったビズリーチという会社が飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を拡大していってます。さらには採用コスト0円で活動できる仕組みもつくったり。

 

規制が緩和されたら爆発する市場?

ということは、容易に首にできない正社員の仕組みというか制度というか日本社会というか。これが欧米並に規制緩和というか、人材流動化が進んだとき、果たして今までの「人材採用市場」はいっきに膨れ上がり、多様な会社が多様なサービスをどんどん開発して競争も激しくなりますよね。

 

採用する企業側も「採用コスト」は0円に近づいていっても、優秀な人材に抜けられたくないから、その分いろんなコストを人材にかけようとするはずです。離職率を下げるためのいろんなサービスやコンサルもどんどん出てきそうですし、サービス残業なんてさせる企業よりも、社員1人1人に合わせた報酬や福利厚生を用意できる企業が選択される時代であり、業績が伸ばせる時代。

 

うん、そっちの方がなんだか健全な気がするなぁ。これからどんなふうになっていくのか、楽しみですね。



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