北九州まなびとESDステーション

大学と地域活動の取り組み最前線「自転車問題編」

日本各地の大学が、地域活動を教育の一環として取り入れはじめたり、専門の学部や学科を設け始めたりしています。「大学生が地域活動したって、所詮ママゴトだ!」なんて声もあったりするらしいのですが。1つ、すばらしい成果を上げた事例が生まれましたのでご紹介です。

 

僕が特任教員をしている北九州市立大学にも、地域創生学群という学部があります。ここの大学生たちの地域活動の中で、1つ非常に効果を上げていて行政(北九州市)や警察が「表彰する」という事態が起きました。その実態をご紹介します。

 

 

博多で始まった取り組みが小倉駅周辺に広がった

2009年、greenbirdというNPOから、福岡市中央区と共働事業(福岡市では「共に働く」としてこの字を採用)で福岡テンジン大学という、都市型コミュニティカレッジを創りましたが、同じ年に福岡市博多区とも共働事業で「b-cycle」(ビーサイクル)というプロジェクトを立ち上げました。それは・・・2011年にリニューアルする博多駅ビルが、ショップ・飲食店が激増するため、従業員や来街者含めて「駐輪の場所が足りなくなる」というものでした。当時、ただでさえ、違法駐輪が多かったので、そこに博多区役所が動いたのです。

 

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当時、greenbird福岡チームの代表・木下氏と一緒にアイデアを練って、企画書をたたきました。そして、博多駅周辺に多い専門学校の学生さんたちと一緒に「b-cycle」というチームを立ち上げ、違法駐輪の整備をしたり、「駐輪場のMAP」を記載したポストカードを自転車に挟み込んだり、メッセージシールを貼ったりの活動を始めました。

 

その効果抜群!なんと、2009年度の違法駐輪は約70%減という博多区役所もビックリの数字。

 

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そして2014年、僕が北九州の小倉で出会った、NPO法人タウンモービルネットワークの代表・植木さんが、このb-cycleの事例を知り、視察に来始めて、同様の取り組みを小倉駅周辺でも立ち上げました。それが北九州市立大学の地域創生学群の学生たちを中心としたKeeple(キープル)というチームです。どうでしょう?色も活動もほぼ一緒です、ロゴがちょっと違いますが(笑)

Keeple(キープル)のホームページはこちら

 

 

 

効果が出たのは自転車犯罪の件数

NPO法人タウンモービルネットワークの植木さんと、Keepleの学生たちに教えてもらったのですが、keepleの活動を始めたのは2014年7月から。今回、小倉北警察署が出した「小倉北区における自転車盗難件数」に、その活動の成果を見ることができ、この取り組みの意義が行政や県警内で広がり始めたそうです。

 

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小倉北区内で起きる自転車盗難件数は、2013年度とほぼ同数で動いていた6月まで。7月から、前年度比の平均約30%減という数字が出ているそうです。ただ、あくまでこれはKeepleの活動が始まってからとはいえ、因果関係はまだ正確に見いだせていませんが、相関関係は出ているということです。

 

 

小倉南区の北方校区の新しい動き

福岡で始めていたgreenbirdやb-cycleと行った、僕が事務局を務めていた取り組みでは、大学生の活動は自主的でかつ参加比率も1割ほどでした。それは、福岡市中央区・博多区には大学がない、ということも関係していると思いますし、福岡市内に「地域活動を専門でやる学部・学科を持つ大学がない」ということもあるでしょう。

 

小倉南区の北方校区で、新しいチャレンジを始めました。この北方校区には、北九州市立大学のキャンパスがあり、校区内には多くの単身者向けマンション・アパートがあります。そうです、大学生がたくさん住んでいる街です。この校区で、校区住民の拠点「北方市民センター」でgreenbirdを始めたのです。

 

この北方校区、大学がある校区ということもあって、実は小倉南区の中で最も「犯罪」の多い校区。その中でも「自転車盗難」が飛びぬけて多いのです。そう!小倉駅周辺で活動しているKeepleをこの校区でもやろう!という動きが今まさに起きています。greenbirdとKeepleが合体的に、大学生たちのマンパワーも活かしながら地域の課題を解決しようという動きです。これから北方校区がどう変わっていくのか?引き続きレポートしようと思います。

 

 

大学生の地域活動の意義はどこにある?

過去にも、先生単位やゼミ単位、個人の学生単位で地域活動で成果を出したりする事例って、きっと日本全国たくさんあるはずですよね。課題は、継続性がなかったり、始めたときの小さな目標を達成すると終わってしまったりすることです。そんな中、仕組みとして「地域活動をする学部や学科」がある意義とはどんなものでしょうか?

地域にとって継続的に取り組んでくれることでトライ&エラーができること。

 

大学にとっては、北九州市立大学の事例ですが、先輩が後輩の指導をする仕組みにもなっており、ピア・エデュケーションという、学生同士が相互に学び合っていくことで、成長が促進され相乗効果を生むこと。

 

実際に、僕が見ている学生たちは、そのへんの新卒1年目の社会人より十分スキルややりぬく力を持ってると思わさせられます。企画書作成からスケジュール管理、チームワークやコミュニケーションなどがスムーズに展開されるのも、ピア・エデュケーションで現場を踏む機会が常にあるからだと思います。一方で、高等教育としての知識習得への時間を少し損なう、という点ではマイナスかもしれませんが。上層の大学では地域活動など実践的教育は不要かもしれませんが、そうではない地方の大学のこれからの道はこっちにあるかも!ということで、全国に増え始めたのかもしれません。

 

ちなみに、北九州市立大学の地域創生学群は就職率100%が続いています!

 

 



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