教育・人材育成

リーダーシップ開発にはどのような実践が必要か?

※写真はお気に入りのテンジン大学開校2周年の特別授業の1コマ(発表してる男性と、ニコやかな白髪交じりの男性ともにテン大スタッフ)

 

今年36歳ということは22歳で社会人になって13年目になるのですが、22歳から社会的な活動などに携わりはじめ、仕事以外にも複数のプロジェクトやまちづくり協議会に参画してきました。そして福岡テンジン大学をはじめ、これまた複数のプロジェクトや事業を立ち上げてきました。

 

さらに27歳からサラリーマンを辞めて独立して以来、広告業としていろんな企画や制作物を都度チームを組んで作ってきました。これらすべて「僕自身が一人でやったものではなく、チームとして多様な人たちが協力して動かしていった」ものでした。

 

そんな僕から見て、というのもおこがましいところですが。ずばり感じていることは、多くの社会人で「リーダーシップがなんたるかを理解し、リーダーシップを活かしたチームビルディングができるリーダーが限りなく少ない」ということ。ここ福岡では、ソーシャル分野でもビジネス分野でも、あらゆる分野にリーダーシップを理解して活かしているリーダーが本当に少ないです。

 

リーダーシップ教育を受けることはなかったが
リーダーシップを実践する機会は豊富にあった。

高校は普通科、大学では経営学、とは言えリーダーシップ教育を学ぶ機会はなく、リーダー経験も大学卒業までは一切ありませんでした。

 

だから、「リーダーとは」という問いに2009年ごろまでは「カリスマ性が必要だ」とか「目標示して強引に引っ張っていく人がリーダーだ」という認識をしていました。ところが、2010年ごろに大学の同級生だったコーチコントリビューションを創業した市丸くんと出会ったことと、福岡市の事業「中高生夢チャレンジ大学」を立ち上げから関わり、中学生・高校生たちにリーダーシップ教育を提供してきたことでガラリと認識が変わりました。

 

それに加えて、これまで複数の事業・プロジェクトに関わったり、自らリーダーとなり推進してきたことでリーダーシップの「実践」と「リフレクション」が同時並行でできたこともあり、おそらく僕はリーダーシップ教育を受けて来なかったのですが、しっかり学ぶことができたと思っています。

 

おかげで、グリーンバード福岡・福岡打ち水大作戦・福岡テンジン大学・グリーンバード北九州などのソーシャル事業や、絵本プロジェクトなどで多くの人とチームを組んだりコラボしたり、組織化して成果を出すことができました。

 

ビジネス分野(小規模なチームでのプロジェクトリーダー程度)でも、HPをリニューアルしてお問合せ数600倍とか、売上の9割をHPを中心につくる、とかHP制作以外でも印刷物や販売促進ツールの企画などで売上をつくる、など手掛けられました。

 

ようするに、非常に運良く「実践」できる機会を多くいただけたのでした。でも残念ながら「本業」ではその数はかなり少なかったです。でもソーシャル分野で多くの「実践」が得られたのです。

 

ソーシャルな分野で実践の場を自ら持つことの意義

福岡テンジン大学では「授業を企画する」というコーディネーターがいます。ボランティアスタッフとして3回以上、スタッフを体験したらコーディネーターとして手を挙げることができる仕組みです。

 

そうです、誰もがそのチャンスを手にできます。これまで現役高校生から、60代の方まで、多くの多様な職業・年代の方が授業を企画してきました。授業を企画すると言っても、「集客行為はテン大のHPやメルマガが担う」こと以外はすべて、企画者が先生選定から交渉、会場の交渉から当日のプログラムの組み立て、スタッフへの指示、を行わなければなりません。

 

言ってみれば人・モノ・カネ・情報すべてをマネジメントする「実践の場」です。そしてテンジン大学の場合は、この実践は「企画したいと思った人」が手にすることができる場です。

 

ということで実践の場でリーダーシップを発揮し、自らふりかえったりフィードバックをもらったりが続くと、確実に「自らアイデアを形にするために、リーダーシップを発揮して、チームビルディングして、コミュニケーションとって、成果を出す」ことができるようになっていくのです。

 

宗像シェアハウスの管理人でもあり本職デザイナーの谷口竜平さん、元リクルートの営業だったのがファシリテーターに目覚めて京都へ移住し大活躍の東信史ことまっくす、LOVE FMに転職して目覚ましく結果を出している下田浩之くん、そしてこのたびTABI LABOへの転職が決まり東京に栄転する山路祐一郎くん。

 

他にもまだまだたくさんおります。みんなすごいです。成果を出していってます。

 

僕は自分が経験したことを実践できる場をつくっただけ

いま代表している福岡テンジン大学や、グリーンバード北九州では、自分自身が経験できたソーシャル分野での「実践」をやりたいと思った人がやれる・使える「場」を提供しているだけ、とも言えます。

 

なので、福岡テンジン大学の中でも、グリーンバード北九州の中でも、リーダーシップについて座学的に学ぶ場は逆に持っていません。本当は持ってた方がいいんでしょうけど、それって強制的になってしまいます。

 

「まずやりたいと思ったら、失敗してもいいから実践」

 

これが一番大事ではないかと思います。そしてこれから経済が右肩上がりでない時代は、ますます本業で「試しに実践」の場なんて若手には用意されません。そこに追い打ちをかけるかのように働き方改革で「副業」が認められる会社も増えてきました。

 

そこで提案したいのがソーシャル分野での実践

会社からの給料だけでは、という個人がきっと激増の世の中だと思いますが、個人でやる副業より、ソーシャル分野で実践してる人の方が稼ぐ力が身に付きやすいと思ってます。どんな実践かにももちろんよりますが(笑)

 

お金の正体は信用です。信用があれば仕事は必ずつくれます。その信用を築きやすいのがソーシャル分野であり、実践があればリーダーシップ開発から、様々な本業では身に付かないスキルも体得できる可能性が高まります。個人プレーでやる副業はせいぜい時給で計られる仕事が多いですよね。

 

個人プレーでやるものでも信用をつくれて、稼ぐ力が身に付くものもありますが、相当な努力が必要。それに比べてソーシャル分野は、適度は自己肯定感から人間関係、チームワーク、リーダーシップなどその他いろんなスキルを高められるという、可能性というか選択肢を広げられるというのが今のところの答えです。

 

なにより、自分がこの10年そうだったので。ということで、社会でももっとこの認識が広がればいいなぁと思ったというより、求ム!テンジン大学スタッフ!(笑)



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