教育・人材育成

事業やプロジェクトの成果を左右するリーダーシップを人材育成に!

2017年の末で36歳を迎える、5年後は初老を控えたおじさんになってきました。いろんな講師・講演・ファシリテーターなどで呼ばれていくと、「若い!」と言われるのですがいつまで「若い!」と言っていただけるのか、そろそろ覚悟しておかないといけない岩永です。

 

さて、今日はリーダーシップについて。

 

事業・プロジェクト・チームの成果はリーダーでほぼ決まる

8割方、リーダーで決まると思っています。確信すらあります。だって、小さかろうが大きかろうが、企業のリーダー(トップとは限らなかったりするので)が代わったら、傾いたり業績急回復したりする。他の社員が代わるだけでは絶対に起こらない変化が、リーダーによって起こったりするのをこの13年間いろんな分野で見聞きしてきました。

 

天神イムズの中にあるクリエイティブな専門学校(みたいなスクール)であるデジタルハリウッド。現在校長はTさんという方が務めています。実は8年前、このデジハリを運営している会社で僕もサラリーマンをしていましたが、その時期くらいから「デジハリ事業は下り坂だ」でした。東京に本社のあるデジハリですが、福岡はもともとは支社みたいな形で経営されていて、福岡校の成績が良くないため撤退しようとしていました。

 

「デジハリ福岡校」が撤退されたら困るので、僕がサラリーマンをしていた会社は、この「デジハリ福岡校事業」を買い取ります(確か買い取ったはず、他に方法ないよね?)。なぜ撤退されたら困るのかはココには書きませんが(笑)

 

僕がこの会社を出てしばらくして、1人のリーダーシップをよく理解した人が入社して「校長」になりました。それが今のT校長。その後、デジハリ福岡校の業績はV字回復、今ではおそらく会社の中で一番の稼ぎ頭の事業では?

 

Tさんがなぜそのようなことができたのか?を2年前くらいに詳しくお話を伺う機会がありました。理由はTさんの幼少期からの育った環境にありました。実家が旅館の稼業をしており、そのまん前で毎年花火大会があるそうで。そして毎年、旅館の従業員を複数のチームに分けて、出店を出して売上業績を競っていたそうです。Tさんは中学生くらいからチームに入るようになり、どうやらそこで「成功法則」に近いものを体得したようです。

 

そうです、それが原体験となり、以後Tさんの人生においてあらゆる経験がリーダーシップ開発に役に立っていったそうです。

 

残念ながらリーダーシップ開発がまだまだ一般化していない

福岡市の事業「中高生夢チャレンジ大学」にて、肩書では学部長である福岡大学の田村教授は、毎年いろんな人にこう言います。「この福岡において、残念ながら公教育では提供できていない、次世代のリーダーシップ教育を提供してきています。」と。そしてそのためのエビデンスも毎年おさえています。

 

多くの日本人がそもそもリーダーシップ教育を受けてない状況で、社会人になって大企業ではそれなりに研修があってきたようですが、僕が知る限り「リーダーシップを理解している優れたリーダー」に福岡でお会いしたことはほとんどありません。ビジネス分野でも、ソーシャル分野でも、地域活動分野でも、残念ながら「都会ではない」ところに行けばいくほど、「リーダーシップを発揮できるのはリーダーのみで、そのリーダーは年配者か役職者のみだ」の文化が強いという残念な傾向がありました。

 

企業の研修などではリーダーシップ開発のプログラムはとっくにあるはずなのに、なぜでしょうか?

 

きっと答えはプログラム側にあるのでも、提供の仕方にあるのでもなくて、多くの日本人でリーダーとなる前からそもそも「自分はこの会社・この事業・このプロジェクトで何を成し遂げたいのか?」の動機付けが弱いのが原因ではないか、と思っています。

 

だからこそ、会社人というかサラリーマンと仕事をしていて、この動機付けがしっかりできていない人との仕事ほど「おもしろくない」ものはありません。逆に動機付けができて、しっかり言語化できている人は、例え不器用でも、カリスマ性なくても、人格的に少し問題あっても(世の中、人格に問題ない人の方が少ないと思ってる派)、リーダーシップが多少なりとも発揮されて、チームを導くことができたりして、一緒に仕事をしていて「おもしろい」です。

 

これからの世の中、リーダーシップ教育を受けた経験のある人材と、そうでない人材に大きく差がついてくると思います。そして会社・事業・プロジェクトにおいても、動機付けの段階からのリーダーシップの差が、成果を大きく左右してくると思います、ますます!

 

じゃあ、すでに社会に出てしまった、サラリーマンになってしまった人たちはどうやったらリーダーシップ開発ができるのでしょうか?どうやったら動機付けができるのでしょうか?

 

産業界はまだここに答えを見いだせてないような気がします。リーダーシップ開発には「実践」が必要だと思ってますが、果たして「実践」できる場はどれだけあるのでしょう?



関連記事

  1. 新しい技術(AI)を子どもと学ぶ社会教育の話

  2. これからの地域づくりと社会教育施設はどうあるべきか?

  3. %正社員~人手不足を新しい雇用で乗り越え~

  4. 地域活性と教育が結びついてきた!

  5. 企業の広報PRに「コミュニティデザイン」が入ってくる時代の到来

  6. グローバル人材って?いまの教育に必要な多様性理解とは

  7. キャリア教育のオンライン化が必須な理由

  8. 館長から地域コーディネーターへ

福岡の歴史絵本をつくりました