地方創生・地域活性には教育から?~大分で講演してきました~

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大分県青少年育成県民会議というのが50周年だそうです。2016年11月20日(日)に、その大会があり講演と交流会のファシリテーターとして行ってきました。各都道府県の県庁には、小学生から中学・高校と青少年を育成するような教育委員会とは別の担当部署があったりします。教育委員会が「学校関連」「教育方針関連」「教諭陣などの人事」などがメインとするなら、それとは別は担当部署は、いわゆる警察の「生活安全課」的なところとも関連する若者の犯罪のことや、引きこもり・不登校、家庭問題なども幅広く扱うような部署です。

(個人的には若者の教育・育成って生活と密着してるので教育委員会もこれらの部署も一緒にしていいと思うんだけど)

 

 

優秀な人材ほど出て行く地方の現状

「消滅可能性都市」という言葉の衝撃が全国をめぐってもう2年、あれ以来、人口減少がすでに始まっている地方ではどのような対策がとられてきたのでしょうか。そんな中、大分県は大分市を除いてほぼこれから人口が減っていく。そして優秀であろう(学力の高い?)若者ほど、高校卒業のタイミングで大分から出て行きます。ここ福岡市は九州において絶好調に、そんな各県の若者たちを集めています。

 

そんな大分では、不登校の率?が全国6番目に高く、高校卒業時に多くの若者を都会に取られ、青少年育成に関わる方々も「高齢化」していて、50周年迎えるものの「なんか閉塞感」ということで声をかけていただきました。

 

青少年育成・教育は変わってない?

僕は教育現場(小学校~大学)で先生している人から話を聞いたり、行政の方からお話を聞きますが「昔から変わってない」と言われます。いま50代の人たちが、年功序列的にいろんな教育現場の長(校長やリーダー)であることが多いです。そしてこの50代の方々が過ごしてきた「期間」と、これから社会に出るまでに少し時間があり、かつ今の青少年たちが50代の方々くらいな年齢になるまでの「期間」の違いを、ちゃんと認識できている人はいるのでしょうか?

 

そんな現場の方々や青少年育成の方々が集まるので~・・・と大分県庁の方に言われたので、あえて刺激的な内容で講演をさせていただきました。そして、大分の現状をお話聞いたり、最近不動産関係の方々とも話をしていて、1つ気づいたことがあり、ブログを書こうと思いました。

 

これまでの教育と、これからの教育は違う、絶対に。

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講演は20分の時間でしたので、内容詰め込んでたんですが、当日他の催しが15分も前倒しで終わったので30分急きょ使っていいと言われたので、いろいろ余談も交えながら。

 

まず「人口問題」。この場に来ている方々やその組織が、手塩に掛けて育てた子たちは「ふるさと」を出て都会へ出て行く流れが「加速」していること。そしてそれは日本だけでなく、世界規模で起きている流れであること。なぜ田舎から都会へ人口が移動するかというと、「仕事」「情報」「お金」など様々なものが都会に集中するから。インターネットがそれを加速化させ「目指せ都会」な空気を補ってくれることもあり、まだまだ地方は人口が減り、高齢者の率は上がっていきます。

 

2,500万人の減少

今の50代の方々が生まれてから過ごしてきた1960年~1995年の35年間、日本では生産労働人口が2,500万人増えました。日本は失業率を上げずにこれらの人口をあらゆる産業、とくに第3次産業で吸収。国をあげてあらゆる手段使ってこの2,500万人を活かすことに成功しました。それにより訪れたバブルや、日本中にアスファルトの敷かれた道路、電気などのインフラ。統一された基準による建築から、住宅、そしてそれを支えた大量情報発信基地であるテレビ。顧客候補が年々増えるという社会では、あらゆるものが右肩上がりで、成功者も出やすい。何もなかったところに「つくる」だけで売れ、答えは明快かつ簡単。

 

一方で、これから2050年に向かっての35年間は、2,500万人の生産労働人口の減少。国はあらゆる手段を使える借金(国債発行)はもはや限界があり、一方で人口が減ることで起きる様々な問題は、複雑に要素が絡まり「お金」だけでも解決できません。田舎の空き家問題なんかまだまだこれからが本格的に増加でしょう。高齢者の交通事故もまだまだもっと増えます。買い物難民、介護、医療、どれもすぐに解決しない・できないものばかり。そしてそれに伴う日本の内需(マーケット)の縮小。既存の現役世代をターゲットとしたあらゆる産業が、顧客の総数が減るのでシェアの奪い合いにすでに入っていて、利益率は下がっていきます。

 

そんな真逆な環境で社会へ出て、生きていかなければなりません。消滅というか、少ない歳入で毎年減る予算で経営しないといけない地方自治体と公務員。それでも現代の「親」は「公務員になりなさい」と自分たちが育った・生きた価値観をまんま子どもたちに押し付ける現象を、中高生や大学生に聞くと6割くらいいて。。。不安定な時代はこの現象がより増えているようで「正気か?」と思ったりもします。

 

じゃあそんな中で「情報技術」や「AI・ロボット」みたいなものまで入ってくる世の中って・・・?という情報提供もさせていただいて、いかに「自分たちが過ごしてきた時代と違う」ということを認識してもらいました。

 

青少年育成・教育はカタチを変えないといけないと思う。というメッセージを伝えさせていただきました。

 

大分県青少年育成県民会議の会長さんと、Facebookでお友だちになりましたが、「そんな先まで生々しいデータを突き付けられ、ショッキングな問題提起だ。これまで思っていた視点を大幅に変えないと」と危機感を持っていただけました。

 

都市開発・宅地開発の罠、生産(参加)活動に活路!?

これはまだ自分の中で情報が少なく、研究がまだまだできていないのですが、1つ言えることは「多様な生産活動」が生まれる場・地域・エリアにしていくことが持続可能性を高める、というのに今のところ行きつきました。それは不動産業界・ディベロッパー・エリアマネジメントの方などの「土地」に関する業界から出てきている諸問題を繋げて見ていくとたどり着きました。

 

高度経済成長期に日本中にできた「団地」や「住宅地」。その前までは兼業農家もいるような田舎の景色(となりのトトロの世界?)だったのが、都会に大量に若者が流れ込み、結婚して子どもを産み育てる核家族化が進み日本という社会で分業が進みました。結果、「団地」や「住宅地」には消費者が住み、この消費者たちは電車に乗り都会で「生産活動」に従事するように。

 

この生産と消費を明確にわけて見えなくしたがために、「団地」や「住宅地」で育った当時の子どもたちは、親や地域の「消費行動」しか目にすることができず、何が起きたか?現代はそのような「団地」や「住宅地」に当時の子どもたちが「Uターン」してくるという話をほとんど耳にしません。一方で、兼業農家などは最近、Uターン・Iターンの話をよく聞き、また成功者も出てきて話題になっていたり。日本全国のURが空き家が増えた「団地」をリノベしたりしていますが、なぜか魅力を感じないのは「生産活動」が地域に見えないから、という結論にいたりました。

 

地方・地域に必要なのは「参加型」の生産活動

大分での講演ではもう1つメッセージをお伝えさせていただきました。この大分で育つ、将来の大分を担えるような子どもたちに「出て行っても良い」でも「いつか戻ってきたくなる種」を我々大人たちが植え付けられるようなことをやっておかないといけないのでは?と。

 

その種とは?まだまだ事例も少なく、情報収集中ですが、地方や地域にある「あらゆる生産活動」への参加だと思っています。生産活動とは、第一次・第二次産業でいう生産ではなく、ちょっとしたイベント企画だったり、事業だったり、プロジェクトだったり、地方・地域と密着度の高い「アクション」のことです。

 

中学生や高校生にこれらの体験をさせよう、という地方・地域もポツポツ出てきています。きっとまだまだ増えるでしょう。文科省もアクティブ・ラーニングをしきりに言い始めています。地域と高校生が繋がることで、起業が誘発されやすい環境もできてくるでしょう。今のところ、このような生産活動の「体験学習」がもっと増えないといけないなぁと感じている今日この頃です。


岩永真一(福岡テンジン大学・学長)への講師・講演依頼について

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