元岡の地域力がすごい!祭りとワークショップをまちづくりに活かす

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福岡市西区の端っこ、すぐ隣が糸島市になる田園風景広がる小学校校区・元岡。九州大学が広大なキャンパスを築きはじめて以来、多くの九大生も住み、道路もキレイになり、住宅地やコンビニも増えました。そんな元岡校区に1999年?より始まった地域の祭りがあります。その元岡で、ここ2年ほどでおもしろい展開が起きていて、個人的には「福岡市内の地域で、地域力をどんどん高めることができはじめているモデル地区」って言えるんじゃないかという事例だと思ってます。そんな元岡では何が起きているのでしょう?

 

「豊年まつり」に研修会を導入

元岡地区は、一軒家が並ぶ移住者地区もあれば、少ないもののマンションやアパートがあるところ。でも大半は田園風景広がり、専業農家もいるような地区です。JA元岡支店もあり、商売をしている人もちらほらおり、商工会があります。そんな商工会も一緒になり、元岡小学校を舞台に秋に開催しているのが「豊年まつり」。

 

そんな「豊年まつり」に2年前より変化が起きました。実行委員会形式をとり、地域の自治会やそれぞれの地区のいろんな委員、そして公民館なども一緒になり、毎年夏に実行委員会を発足させて約3カ月ほどで「豊年まつり」をつくっていきます。実際の祭りの内容は、小学校校庭に出店が並び、地域住民や子どもたちの出し物を披露する舞台あり、一見どこにでもあるような地域の祭り。でも夜には花火が上がり、昼間にはイボリンピックという泥んこになる大会もあったりしています。(2016年からイボリンピックの開催は無くなったけど)

 

その実行委員、毎年60名程度でやっていることもすごいんですが、約半分のメンバーは各地区の委員などのため入れ替わっていくんです。だからノウハウは「例年通り」のものが残り、新しいメンバーは勝手がわからないし、何のためにやっているのかが共有されにくく、新しいチャレンジも起きにくい。「それじゃあいかん」「地域の宝にしていきたい」「祭りをまちづくりにいかせないか」という意見が起きて、2014年の実行委員会の最初の全体会に「研修会」を導入しよう!という話になったそうです。

 

講演会ではなく、ワークショップ式を選択

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「祭りをまちづくりに活かす」「実行委員になった人たちに意識を高く持ってもらう」そのための研修会をやりたい、2014年にこのような相談をいただきました。なぜ僕に?と思ったのですが、福岡市西区の男女共同参画の各校区の委員の方にワールドカフェをやったときのことを覚えてらっしゃる方がいて、その方の紹介で僕が良いと押してくださったそうです。で、打ち合わせに呼ばれて行った先に、いわゆるThe田舎の、The重鎮の方々が数名並ぶところに入っての打ち合わせ。。。

 

年配の男性ほど、ワークショップなんかを嫌います。かつ、自分の半分ほどしか生きていない若造が先生?って感じだったと思います。2年越しに当時の打ち合わせで僕が話したことが、「頭の中にずっと残ってる」という方もいて、どうやら「この若者が言うことを受け入れてみようか」ってなったんでしょうか?僕が言ったことは、僕は覚えていなかったんですが・・・

 

「地域には神社がある。神社があるところには祭りがある。祭りがあると人が集まり、会話が生まれ、あいさつができる。あいさつができる関係が増えると、地域でコミュニケーションが増える。地域でコミュニケーションが増えると防犯にもなるし、幸福度にも繋がる。」

 

確かに地域とか男女共同参画で呼ばれたときは、たいていこんな話はしているんですが、覚えられていたことと、それを2年越しに飲みながら言われたのがちょっと嬉しかったです。ということで、実行委員会の全体会で「研修会」を導入することが決まり、僕にその研修会のプログラムを組み立てを依頼することが決まりました。

 

語り合いから生まれたアイデアを住民だちで形に!

そうして元岡という地域は、「豊年まつり」の実行委員会で最初に研修会をやることが2014年から始まるわけですが、僕から提案したプログラムは「祭り」が地域にどんな影響をもたらすのか?あいさつやコミュニケーションにはどんな可能性があるのか?みたいな話。そしてそれを踏まえてワールドカフェです。ワールドカフェのテーマは『10年後、豊年まつりが住民みんなの「地域の宝」になっています。そんな元岡では、どんなことが起きているでしょうか?』でした。

 

そしてこのときの実行委員に名を連ねていた元岡校区の中でも新興住宅地に移り住んできた元気で愛嬌のある高齢な方が、「元岡音頭ができていて、みんなで踊れたらいいなぁ」というアイデアを出しました。周りの方々も「それいいねぇ!」と賛同。ということで形にするために少しずつ動き出した結果!!2014年夏の発言から約2年。2016年夏の8/28の研修会でついに「元岡豊年まつり音頭」が完成披露になったのです!

 

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これが歌詞です。すいません、許可とっていませんが勝手に載せます。実行委員全員に配布されていた歌詞です。2016年11月19日(土)の豊年まつりが本番のお披露目になります。

 

この「豊年まつり音頭」、何がすごいってほぼ100%元岡産なんです。まず公民館だよりだったか自治会だよりだったか忘れましたが地域住民に「歌詞」を募集。そして作曲はとある住民のお子さんがミュージシャン(の卵?)かなにかだそうで。振付は元岡生まれ元岡育ち(だったような)の93歳の方が。その振付を初披露してくれたのが公民館でのダンスサークル?(少し高齢な女性たちの趣味サークル?)。収録の演奏は元岡中学校の吹奏楽部に、ボーカルも中学生が。そして豊年まつりの当日には、吹奏楽部が実際にきて演奏することが決まっているそう。

 

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2016年8月28日の研修会後の懇親会で、豊年まつり音頭を初披露し、みんなで踊りました。

 

2年前に初めて元岡で研修会やらせてもらって、まさか3年目になる3回連続呼んでいただけると思わなかったんですが、たった1回のワールドカフェで出たアイデアを本当に形にしてしまった、そしてそれを目の前で見せてもらえるなんて。本当に感動です。

 

新しいものを受け入れる土台、それが地域力に

たった1回の講演+ワールドカフェで地域が変わるなんて思っていません。あくまでキッカケの提供に過ぎませんし、過大も過小も評価せず、あくまで僕も「外部としてこの元岡にできる限りの時間で、できる限りのことをやる」という気持ちでプログラムを組み立てたにすぎません。

 

元岡はそもそも地域力が高かったんだと思います。それが研修会後の懇親会の2次会に集約されているのがわかります。

 

実行委員は2016年は約80名にまで膨らみ、新しいメンバーも50人近くいて、そりゃもう収集つかない規模の組織になってきています。が、ちゃんと「何のために祭りをやるのか」がコアな方々が意思を共有しています。そしてそんなコアな方々に、公民館から商工会から自治会からの重鎮な方々が一緒に議論し合えています。そして重鎮な方々が口をそろえて、「地域の若い人たちに、この祭りを受け継いでいきたい」と言います。

 

そんな方々が仕切る懇親会は大いに盛り上がり、2次会は近くのスナックに行くのですが、重鎮から30代の若手から、そして毎年出店で関わる九大生(いちサークル)も混ざったりしてお酒飲んで歌ってるわけです。なかなか見れない光景だなぁ~と思いつつ、自分が住む地域にはこの景色は実現できんだろーなーって思ったりします。

 

そもそも、実行委員の「研修会の導入」、僕みたいな若造の「ファシリテーター」や「プログラム」を受け入れ、「祭りをまちづくりに活かす」という強い意志。そんな地域力が元岡にはありました。

 

ちなみに、2015年は「豊年まつりに“子どもたち”をどう参加させるのか、みんなで考えたい」という課題をいただきましたので、そんなワークショップを研修会でさせていただきました。そのときに僕から他都市・他校区での事例紹介もしましたが、出てきた「子ども店長」という誰かが名付けたアイデアをその年にはもう実現。小学生から中学生の計30人くらいの「子ども店長」が誕生し、読売新聞にも掲載されたそうです。

 

福岡市西区にある九州大学のお膝元では、九州大学ができたことによる変化を受け入れ、地域の形が変わっていったことをプラスにしようと、「祭りを活かす!」という強い意志を育み、地域住民たちが繋がりあって、まちづくりを進めていました。この「豊年まつり」がさらに進化し、ここで稼ぎをつくったり、起業する人が出てきたりすることで、まちづくりが自立してくると、もう自走するでしょうね。

 

そんな元岡の地域づくりは、まだまだ世に出てきていません。市の担当部署の方もまだノーマークでしょう。なぜなら、豊年まつりは自治会ではなく、商工会も青年部も小学校も中学校も加わったオール元岡で横断的につくりあげているものだから。果たして、モデル地区になるか!?

 

11月19日(土)、午後、元岡小学校へ!

 


岩永真一(福岡テンジン大学・学長)への講師・講演依頼について

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