ごまサバが危ない!持続可能じゃない日本の漁業

gomasaba1109

福岡にあるとある水産会社で、商品開発チームに参加してプロジェクト進行のお仕事をしているのですが、そこで「日本の漁業」の問題点についての話題が出ました。

 

 

福岡のごまサバが食べられなくなるかも?

近年は、ウナギの乱獲により激減し「稚魚」の値段が高騰して、一般消費者の手元に届く国産のウナギの値段はそれこそ「うなぎ登り」だったわけで(昨年は少し回復したそうですが)。そしてもうだいぶ前から言われている「マグロ」についても、日本は世界のマグロ漁獲量の4分の1消費してる、なんて各国から批判されたりして「乱獲」に警笛を鳴らされていますよね。

 

そんな中、耳にしたのが、この福岡の夜の定番メニューの1つ「ごまサバ」の原材料である「マサバ」と呼ばれるサバが危機です。日本国内の海域で揚がるマサバの中でも、とくに長崎の五島沖で獲れるマサバは、僕が知ってる限り一番美味い・脂が乗ってますが、近年このマサバがだんだん獲れなくなってきているそうです。

 

その理由は、0歳のマサバの「稚魚」が乱獲されており、アフリカに安く販売されている!とか、根こそぎ乱獲しちゃう巻き網漁船で獲れた「稚魚」を、なんと『養殖用の魚のエサ』として販売しちゃってたり、があるそうです。これは世界的にも同様の問題が起きていて、とくにお隣の大量人口を抱えた大国が、モラルのない「乱獲」をやっちゃう傾向もあるそうで・・・(ウナギの稚魚の乱獲もそれらしい)。

 

日本経済新聞の2015年3月3日付の記事にも出てます。

養殖魚の餌として大量に天然魚を獲って与えているので、養殖は天然資源の保護とは逆に浪費につながる、という。そしてこの先、養殖魚の生産がいまの勢いで増えていった場合、天然魚を養殖魚の餌にする現在のやり方は、持続不可能な生産手法と言わざるを得ない。養殖魚が増えるほど、天然魚の減少が加速するのは明らかだ。

「魚の養殖」が増えるほど、天然魚が減る矛盾~消費者だけが知らない農業工業化の暗部(2)~

日本経済新聞WEBサイトより

 

それにより成長したマサバが獲れなくなっていて、まさに福岡名物の“ごまサバ”が危機を迎えるのもそう遠くない未来なのです。ただ、回遊魚なので回遊ルートが変わったから獲れてないのでは?という可能性もあり、一概に乱獲が原因とは言い切れないのですが。

 

 

日本の漁業は持続可能じゃない?

そんなの世界どこも一緒じゃねーの?と思うんですが、幸福度・健康・ビジネスのしやすさ・教育などいろんな数値で高得点を取る北欧諸国は違いました。とくに、北欧で漁業と言えばノルウェー。日本でも「塩サバ」と言えばノルウェー産ですね。

 

このノルウェーでは、国策として漁業をしっかり保護したり「持続可能」みたいな教育や文化も育てていますので、さすが!と思う事例がありました。って実際に聞いたり見たりしてないんですけどね(笑)

 

ノルウェーでは、巻き網漁船で漁に出ても、「稚魚」は獲らないようにしてるそうですね。養殖用の魚のエサなんかの安い価値の状態で獲るより、成魚になって人が食べる高い価値があるサバを獲った方が良い、という考え方だそうです。1年ちょっと前の記事ですが、このような記事を見つけました。

 

日本では実に3割ものサバが、単価の安い餌用にまわってしまっています。もったいない話です。「ローソク」や「ジャミ」と呼ばれる小型のサバは漁獲するべきではないのです。一方で、ノルウェーでは食用に回るサバが、99%以上で、餌に回るサバは、1%を下回ります。餌用の魚は必要ですが、何も1~2年待てば大きくなって価値が高くなるサバを、餌用にするようなもったいないことはしないのです。餌用には、イカナゴ等大きくなっても価値がない魚を使います。

「魚がいても獲らない」 漁業先進国・ノルウェー

WEDGE Infinity(ウェッジインフィニティ)より

※東海道・山陽新幹線のグリーン車搭載の雑誌、「WEDGE」と「ひととき」を発行するウェッジ社が運営するウェブマガジン

 

キーワードは「持続可能」

天神の街を11年、そうじしてきた目線でいろいろ見ていくと、日本は田舎に行けば行くほど環境リテラシーが低いなぁって感じるのです。農家さん漁師さんはさすが自分の畑(漁師であれば海)にゴミをポイ捨てはしないでしょう。ですが、全体的にゴミはポイ捨てされたらそのままだったり、観光業の人はお構いなしにポイ捨てしたりとかよく見てきました。(とくに工業系の街はひどいなぁと感じてます)

 

このような問題の根底は、「そもそも知らない」ことにある、と僕は思ってます。義務教育でも、大人になってからも「教えてもらう機会」ってないんですよね。あったとしても「なぜダメなのか?」を考える機会って持たせてもらえない。人間、自分のことにならないと考えようとしませんからね。

 

ここはやはり「教育」から変えていかないといけない、と思っています。日本の官僚もバカじゃありません!文科省も「持続可能な開発のための教育(いわゆるESD)」という文脈を打ち出したり、環境教育に力を入れて体験し考えさせる教育をしよう!という初等教育の動きもあります。

 

大量生産の使い捨て文化が最高点まで行っちゃった我が国なので、染みついた世代がいるのも否めませんが、下の世代からジワジワとこのような波が来はじめている、教育業界から変わろうとしてる、となんとなく思ってます!

 

とにかく。ごまサバはやっぱり、食べたい!!


岩永真一(福岡テンジン大学・学長)への講師・講演依頼について

プロフィール

講師、講演、ファシリテーターの実績等について

プロデュースの実績等について

お問合せはこちらから