ラーニング・ファシリテーターの可能性

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ファシリテーターという仕事をしていると、様々な業界・多方面から依頼をいただくのですが、明らかに福岡でファシリテーターができる人材が少ないことがわかります。この10年前には求められていなかった「場づくり」や「コミュニケーションを促す人」「主体的な学びを促す人」という役割が、地域社会だけでなく、まちづくりや会社組織、そして教育現場でも必要になってきていることをヒシヒシと感じます。

 

 

情報は増え続け、変化のスピードがかつてないほど速い

情報は毎年1.6倍のペースで増えているそうです。5年で10倍です。感覚的にはもっと増えていると思っていますが、指数関数的に日々の情報量は増え続けていることには間違いありません。そして、変化のスピードも速いです。お笑い芸人が一発当たったときの寿命、かつては1年間は平気だったのが、最近では一瞬です。商品サイクルも早い、売れた!と思ったらもう消えている。話題もそうです、アイスバケツチャレンジも「今話題になってる!」という行動を伴ったムーブメントになりかけていましたが、今では誰も話題にしていません。

 

そして何よりサイクルが早くなっているのが、組織の寿命です。江戸時代は人の寿命より所属する組織の寿命が長かったのに、明治維新頃は100年と言われ、戦後は50年を切り、どんどん短くなって、今では10年をきっているそうです。あれだけ一世を風靡したmixiも今ではパッタリ聞きません(ちゃんとまだ生きてますが!)し、Facebookもかつてほどの勢いを失ったような気がします。とにかく、いろんなサイクルが短くなっています。

 

情報が増え、変化のサイクルが早くなるとどうなるか?一番は「人の価値観が限りなく多様化され、細分化されていく」というのが世の中で今起きていることですね。

 

 

職業が新しく生まれ、消えていく時代

僕が生まれたときはインターネットがまだありませんでした。小学生・中学生・高校生の頃は、先生も友人も、そして社会が発信している情報にも、「ネットに関する職業」は誰も話していなかったし、教えてもくれないし、新聞にも載っていませんでした。もちろんファシリテーターという言葉すらありませんし、その必要性もきっとなかったんだと思います。逆に今後10年後、20年後は、今まだ誰も知らない職業がたくさん生まれていると言われています。

 

これだけ変化が早く、かつ価値観が多様化すると、社会で起きる「問題」も多様化しますし、今までになかったような問題も起きます。そしてそれを解決するための「仕事」も生まれます。まだ誰も知らない仕事について、いったい教育機関はどうやって対処しようと言うのでしょう?

 

 

教育にはアクティブラーニングが必須になってくる

知識教育は終わったと思っています。今のやり方をやっていたら、格差はますます広がるばかりだと思っています。持つ者と、持たざる者の差が。それは「情報量」です。今までの知識教育は、いわば知識という情報を提供して、それを頭に詰め込む教育でした。それを編集したり加工したりする高度な教育もありますが、今の大学教育ですらそれをしているところはそれなりのエリート校のみです。「いや、やっている」と言われても、今の20代社会人を見ていれば、されていないのが一目瞭然。

 

そこで今言われているのが「アクティブラーニング」です。自ら考え、主体的に学び取っていくこと。いわゆる「学び方を学ぶ」ということが前提にあり、それを経た人は知識という情報だけでなく、体験や人とのコミュニケーションという経験をもとに内省して「振り返り」をして成長していくというもの。

 

これがある教育機関はいったいどれだけあるでしょうか。世界の教育の潮流も、この流れに乗っています。OECDが推進する教育の柱もこれです。ですが日本はいまだに従来のシステムで従来の教育のやり方で、変化に追いついていません。このアクティブラーニングを提供できる「学校」「機関」「先生」「場」「機会」が必要だと思っています。

 

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教育者はファシリテーターというスキルが必須になってくる

これからの教育者、ないしは教育機会となる「場」においては、学びを促すスキルを持ったファシリテーターが必須になってきます。逆に言うと、すでにそれを導入して、展開している大学や先生のもとには、どんどん伸びる学生がたくさん出てきています。

 

ラーニングをファシリテートする、という仕事がこれからはどんどん増えてくる、と予想します。このラーニング・ファシリテーターは、業種を超えて様々な場面で活躍が期待できます。教育現場以外の場としては

 

「地域再生」

「組織開発」

「コミュニティの強化」

「対話の場を設けるファシリテーターのトレーニング」

「リーダーシップ開発」

「社会の変化(ソーシャルイノベーション)の種を生み出す」

 

などの場面でしょう。

世界の教育を見た人や日本の最新の動きをしている人たちと話をすると、こんな話にすぐなりますが、意外にも教育現場(とくに中学・高校)の方が皆無なのがちょっと悲しい。行政にもほとんどいません。

 

コミュニケーションや、人と人をつなぐことに関心のある人は、こんなラーニング・ファシリテーターになろうと今から動けば、5年以内にそれなりに仕事になっている気がします。なぜなら、僕がそれを今まさに経験しているからです。ラーニングファシリテーターをやればやるほど、いろんなところからも紹介からも声がかかるようになってきています。


岩永真一(福岡テンジン大学・学長)への講師・講演依頼について

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