パルコ新館OPEN!から見る流通戦争

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11月13日(木)、九州一の繁華街・天神にまた新たな商業施設がOPENしました。天神の商業施設の中でも集客で元気のある“パルコ”が、新館をOPENさせましたので見てきました。実は僕、2010年の福岡パルコが開店したときに「みんなのパルコ宣伝部」というメンバーに所属して名刺も持っていました。これはパルコ開店をPRするための広告代理店の企画でもあったんですが。冒頭の画像は、パルコ新館のHPにある動画のキャッチ。

参照 : 福岡パルコ新館ホームページ

 

そこで今回は、日本の中でも天神・博多と商業施設の開店ラッシュが続き、設備投資もいまだに活発(2016年春に博多駅横に丸井出店・ソラリアプラザの改装に60億円)な福岡の都心部流通戦争について書いてみたいと思います。

 

 

日本最後のフロンティア?

人口減少をはじめ、団塊世代の大量引退がはじまった日本において、いまだに人口が増加している都心部(首都圏・大坂や名古屋都市圏・札幌都市圏など)ですが、いまだに商業施設の進出が続いているのは実は福岡だけです。福岡にずっといると「えっ!他の都市は違うの?」って思いますが、首都圏ではすでに私鉄の駅ビルに一番相応しいテナントが「病院」なんて言われるくらい高齢化がすさまじい勢いで進んでいます。

 

一方で福岡都市圏は、いまだに人口増加ぶっちぎりで1万人/年以上のペースで増加中で、都市圏人口としては札幌をすでに追い抜き、大坂・名古屋に次ぐ大都市になりつつあります。(横浜・神戸・京都はまた別ですが)

 

しかも「若い世代」の人口比率が高く、とくに消費意欲の高い30代女性の人口比率がずば抜けて高い状態が、まさに“今の福岡”なのです。だから、2006年のVIORO以降、ロフト、パルコ、パルコ新館と続きます。博多駅も負けていません。2011年に駅ビルリニューアルで阪急百貨店にアミュプラザ、東急ハンズ、そして2016年に丸井!そして天神・博多の間にあるキャナルシティも第2キャナルや、郊外でも木の葉モールなど、市内では商業の話題につきません。

 

 

足元に忍び寄る落とし穴

そんな人口が絶賛増加中の福岡市ですが、実は「働く人の人口」(生産年齢人口)は減少を始めています。ちなみに日本の中で「働く人の人口」が減少に転じたのは1997年あたり。実はこの頃から、様々な「消費」のバロメーターが減少を始めています。人口が増加していたこの福岡市でも、「小売」に関する年間販売額は2000年ごろをピークに減少しています。

 

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データ引用 : データで見る福岡市(福岡市HP) ※PDF

 

しかし増え続けているのが「売り場面積」。こちらも人口に負けずガンガン行こうぜ!で増え続けていますが、「売り場面積当たりの販売額」いわゆる売上は、ジワジワと減少しているのです。つまり、福岡市内の人口が増えようが、天神・博多を中心とした流通に関してはもうこれ以上マーケットが大きくならないことを示しています。大きくなるとすれば「外国人観光客」のみ。

 

シェアの奪い合いが始まっている

生産年齢人口がどんどん増えれば、お金を使う人も増えるので、店舗は増え、雇用も増え、売上も増え、良い循環が生まれますが、今はすでにシェアの奪い合いが始まっています。2011年に博多駅ビルがOPENによって、天神の3百貨店の売上は約6%減少しています。

 

さて、天神にパルコ新館がOPENしましたが、もちろんココで生まれる消費は、どこかでお金を落とすはずだった人たちがいたということになります。それは天神vs博多の構図ではなく、都心部vs郊外だったり、福岡都市圏からちょいと離れた久留米・小倉・唐津・熊本だったりもします。

 

もはや九州も人口減少・高齢化がだいぶ進行していて、ますます福岡への一極集中は進みますね。今後の福岡はどうあるべきか?だから外国人誘致のMICEが叫ばれていたり、創業会社が雇用を生む確率が高いので、創業特区と言われたりするのでしょう。今後の天神・博多の流通戦争からはまだまだ目が離せませんね!

 


岩永真一(福岡テンジン大学・学長)への講師・講演依頼について

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