地域・まちづくり

福岡は日本一子育てしにくい街?

※2017年12月追記

『日経新聞にて「共働き子育てしやすい街」で福岡市が3位にランクイン!』

共働きで、東京都以外という条件で、千葉の松戸、栃木の宇都宮についで福岡市が3位。そして自分自身にも2人目が生まれ、共働きで子育てしていますが、大満足です。でも、周りには少ないのですが専業主婦なために保育園入れなかった、という声もまだまだ、都会には付いてまわる課題ですね。

 

※以下2014年に投稿した内容

とある飲食店の経営者と子育てについて話す機会がありました。その方は2人のお子さんがいて、下の子を幼稚園に入れることになったそうです。ところが・・・。

 

 

都市部は悲惨な状況

昨年に150万人を突破した福岡市ですが、その人口を吸収しているのはマンションです。中央区・博多区は集合住宅(マンション・アパート)が90%ほどあり、国内トップクラスの数字です。さらに早良区・西区・城南区・東区も鉄道沿線沿いほどマンションが乱立しています。ここ30年で40万人増えた福岡市。

 

 

それに比べて新設の保育園・幼稚園の数は、まったく追いついていません。作っても作っても追いつかない、さらには都心部には地価の高騰と日照の問題もあり、新設の保育園・幼稚園はほぼ皆無。そりゃ中央区の保育園ないし幼稚園に入れなかった子どもの数は異常な数字になりますよね。もはや福岡の都心部の子育て事情は、悲惨極まりない状況と言えそうです。

 

 

子どもを預ける場所がない

冒頭の経営者は、比較的郊外に近く先着順で受付してくれる幼稚園に入れようとしたのですが、受付をする日曜日の2日前、金曜日の夜から並び始めたそうです。テントを用意して。聞きながらビックリですが、両親が並べず、その親、つまりおじいちゃんが寒い中ゴホゴホ言って並んでいたというから、もう悲惨です。

 

 

さらに驚かされたのが「バイト」を使って並ばせている人がいたということ。お金を使ってでも、というより、お金を使って人を使わないと入れない幼稚園が、都心部からやや離れた幼稚園でも起きているという事実。

 

 

解決策が思いつかない

冒頭のグラフは、福岡市職労のサイトからの引用ですが、実は福岡市って「保育士」が少ないんですね。もういろんな数字が悲惨な状況な気がします。待機児童という言葉は定義が市町村によって違うので、ここでは触れませんが、ちゃんと調べたら「園に入れない」「園には入ったけど希望する園に入れていない」という子どもの数はすごいことになっていそうです。

(引用元 : 福岡市職労「保育所問題 〜福岡市での子育て〜」)

 

 

他にも聞いた話によると

「早良区に家も職場もあるが、職場近くの保育園に入れず地下鉄で20分先の保育園に入れた。なので地下鉄で預けて往復して職場へ行っている」なんて話もありました。一番かわいそうなのは転勤族かもしれません。男性の会社都合でやってきて、正社員じゃない奥さんと子どもが来たら、まずは保育園には入れません。そして働けないという悪循環。

 

 

2014-11-05_2

 

「無認可に入れるしか・・・」という意見もありますが、他都市に比べて「希望する保育園に入れない」確率がたぶん相当高いのが今の福岡市。上記にもあるように公立の保育所数の割合も低いのですが、実はこの問題はもう5年以上前から「課題」になっています。きっと福岡市はこんなに人口が増えるって、誰も思ってなかったから作ってこなかったんでしょうね。

 

来年度から一部の幼稚園でも3歳児未満を預かるサービスをするところもあるようですが、おそらくそれでも追い付かないでしょう。保育士の人口も少ないっぽいですし、人材不足になってるんじゃないでしょうかね。ハードでもソフトでも解決が難しいこの話、いったいゴールはあるんでしょうか・・・。



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