プロデュース・マーケティング

コミュニティマーケティングはファン獲得にも人材採用にも繋がる“経営”を左右する仕組み!?

コミュニティマーケティングの実践者や学びたい人が集まるコミュニティ(通称CMC)のミートアップ@福岡の第2回に登壇して、「広がるコミュニティにはなにがあるのか?」というテーマでプレゼンしてきました。

 

コミュニティマーケティングのコミュニティ?

この言葉がいつから出てきたのかはよくわかりません。ウィキペディアにも現在(2018年10月13日)まだページが存在していません。ですが近年急速にこの言葉の体系化と実践者が増加しているようです。

 

そもそも“コミュニティ”とは、土地と紐づいた人々の集合体で使われる言葉のため、マーケティングなど広告業界や、ましてやビジネスとは繋がりが見えない言葉でした。ところがインターネットが登場し、大量発信&大量リーチの情報が一方通行型のマスマーケティングとは違う、情報の動きによる購買促進の動きが増殖してきました。

 

さらにこの数年でシェアリングエコノミーを推進するグローバルな大企業が出てきたことや、インターネット上のみでの個人間のやりとりだけでなく、土地や不動産にもとづいたシェアリングサービスが世界を席巻するようになっています(AirbnbとかWeworkとか)。そしてこれらの企業が実践しているのがコミュニティマーケティング。サービスの使い手であるユーザーが、繋がりあって親密度を高め、サービスを磨き合うことに貢献していき、さらに新規のファンまで連れてきたり育成までしていく。これがまさにコミュティマーケティング。

 

そして地域活動や社会運動としてもともと使われていた業界にも、今後確実に「コミュニティマーケティング」のビジネス側で急速に進化している手法が流れてくることをここに予言します。だって地域活動や社会課題を抱えている自治体は、人(職員)と税金使っての課題解決に限界を感じているし、予算も縮小傾向にあるし、市民側とタッグを組んで協働する動きが盛んになっているものの、「その手法」を体系的にしたものって今まで存在してなかったですからね。

 

広告代理店にはできないコミュニティマーケティング

マーケティングというと広告に携わる会社の領域に感じますが、広告業界の売上になる成果物のKPIが「どれだけ多くの人に情報を届けたか」になっています。だから全国放送のTVが一番単価が高く、それら多くのあらゆるメディアにクリエイティブを載せた配信型のビジネスモデル。インターネット広告ができる領域ではアフィリエイトなどありますが、それでも「届いたか」の先の「リアクションがあったか」まで。広告業界のほぼすべての仕事がこれになり、その最適化がテクノロジーの進化とともに行われてきた業界と思ってます。

 

ただし、このビジネスモデルの最大の利点であり欠点は、KPIの数字が大きくなればなるほど、比例してコストも増えていく点です。下記は、コミュニティマーケティングのコミュニティの首謀者(?)でもある元AWSの小島(おじま)さんのスライドより引用。

小島さんがCMC_Meetupで話されるスライドのシェアより引用

 

実際にこれまでグリーンバードや福岡テンジン大学という比較的オープンなコミュニティをやってきて、これはまさにその通りだと思いましたし、社会人になってからずっと広告業の仕事をしてきた中で「コミュニティってそれなりにマーケティングになるよなぁ~」と思っていたので、一気に繋がりました。

 

ただし、広告代理店にはコミュニティマーケティングはできません。リーチ数を上げるためにコストが上がるというビジネスモデル自体が広告業界全体のモデルでもあるので、その文化の中では「リーチ数が伸びるのに比例して売上が伸びないなんてありえない」からです。だから、これまでコミュニティマーケティングのようなクチコミに近い分野にはほとんど手を出さず、いかにバズるか?ばかりに着目してきました。それもやはり「大量発信型」の発想から抜け出せてないです。

 

コミュニティマーケティング実践企業は経営が楽になる!?

これは僕が今現在持っている仮説です。結論としては、自社や自社商品・サービスのファンを中心にコミュニティマーケティングをしていくと、上で示した通り「リーチ数が上がってもコストはおさえられる」こと。コミュニティがあるので社員とユーザーの関係性の距離が短くなり、親和性高い人がさらに距離を縮め、人材獲得・採用がほぼコストかからずにできること。さらに、経営陣が「コミュニティマーケティングに理解がある」ということは、人と人の関係性に価値を見出しているため、経営陣と社員との関係性や、上司と部下の関係性にも目が行き、非常に風通しよい組織風土になっていくからです。

 

これを知ってか知らずしてか、福岡の不動産業界で実践していた企業があることに気づきました。僕もファンになり今年の春から複業社員として携わっているスペースRデザインです。(この話は長くなりそうなのでまた今度)

 

今回の登壇をキッカケに、コミュニティマーケティングという手法や事例などを調べれば調べるほど、これからのビジネスに非常に有効であること。ビジネスだけでなく、まちづくり・地域づくりにも欠かせない要素・視点・手法であることを明確に確信しました。そして、ビジネスにおいては広告業界が築き上げてきたモデルが「当たり前」と思っているところに、このコミュニティマーケティングが持つ可能性をどう広げていくか?自分がこれまで実践してきたことがかなり活きそうなので、もっと探求して福岡・社会にフィードバックしていきたいと思います。



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