2018年4月1日より、ここ福岡市でLGBTなどの性的少数者の同性カップルをパートナーとして公的に認証する「パートナーシップ宣誓制度」がスタートするようです。九州では初!福岡県や福岡市の男女共同参画の仕事を何回もしてきた感覚としては、この1年ほどの市役所での動きが非常に早いです!
カップルが宣誓書に署名して市に提出し、受領証を受け取る仕組み。婚姻届のように法的な権利や義務は生じないが、カップルとしての市営住宅への入居や、市民病院で親族の同意が必要な治療を受ける際などに活用が期待されるという。
引用:「福岡市、LGBTカップル公認へ 18年度に導入」(西日本新聞WEB)
冒頭の写真も、全国に先駆けて2015年に東京の渋谷区が制度化したときの記事のものです。
画像引用:「渋谷区の同性パートナー条例成立 「全国に広がってほしい」LGBT活動家の東小雪さん」(Huffington Postより)
ところでLGBTって、性的マイノリティってわかってます?
人間って歳をとれば取るほど、「自分と違う価値観、モノの見方を持っている人」の存在をそもそも受け入れにくくなり、「自分の世界」という境界線が明確なモノサシに無理やりはめ込もうとします。このモノサシの形を変えたり、計れる単位を大きくするには「学び続け、教養を蓄える」ことか「多様な人たちと、対話する機会」がなければできないと思っています。
このLGBTを始めとする性的マイノリティな人たちの存在、どのように理解していますか?どのような価値観のモノサシで計っていますか?
アメリカのFacebookでは、登録時の性別選択が58種類あるそうです。意味わかりますか?
参考:「実は50種類以上もある! Facebookの性別設定」(All About)
こちらをご覧ください。
これは、元フェンシング女子日本代表でもあり、LGBT界隈では知らない人がいない、トランスジェンダーとして日本各地を講演で飛び回ってもいる同い年の友人“杉山文野”が、大学院生時代に研究し、作った性別一覧表。
自分は男だ!自分は女だ!という「心の性別」
体は男だ!体は女だ!という「体の性別」
好きなのは男だ!好きなのは女だ!という「好きになる性別」
それぞれに2種類しかないのではなく、第3の性別「両方だ!」「両方でもない!」などがこの世の中には存在するのです。そしてそれらをそれぞれ3通りあるとして、何パターンあるか?というと3×3×3で27通り。
そして、この一覧表を北九州市立大学の特任教員時代にそれっぽい大学生に見せたとき「私、7番から9番をウロウロしてます。今は7番かなー」という返事でした。
意味、わかりますか?
これは正の整数しかないのではなく、小数点まであるグラデーションなんです。そしてそれは、趣味や価値観ではないということです。先天性もあれば後天性もあるでしょう、目に見える身体の障がいは理解できるのに、心の障がい(と言われてもいる)は目に見えないので、理解がなかなかしにくいのはそのためでしょう。
実は誰もが当事者に会ったことがあることを知るべきです
佐藤さん、鈴木さん、田中さん、高橋さん、この苗字は日本人の苗字の人口が多いランキングで、上位4位までの超有名な苗字。日本全国どこにでもいますよね(笑)この4つの苗字の友人・知人、あなたはどれくらいいますか?1人2人ではないはずです。多い人は数十人いると思います。これら4つの苗字の人口は約660万人います。日本人の人口約1億2,000万人で割合は約5.5%。
そして電通ダイバーシティ・ラボが全国の20〜59歳の男女69989人を調査しての統計なので、統計上は日本人口をほぼカバーしている結果として「性的マイノリティの出現率は7.6%」と出してます。(その前の電通総研の調査でも5.4%)
出典:「【LGBT】性的マイノリティーは全体の7.6% 電通調査、3年前より増えた理由は?」(Huffington Postより)
そうです!
佐藤さん、鈴木さん、田中さん、高橋さん、の人口と同じ数だけ、いやそれ以上に「性的マイノリティ」の人口がいるということです。
「えっ?友人にも知人にもいないって?」
てことは、あなたは周りの人たちから「カミングアウト」されてないだけでしょう。そしてまだまだ世の中としてカミングアウトしても偏見で見る人が多いからでしょう。中には「親」をはじめとする周りの人たちから「頭おかしい」と言われることを恐れて、隠し通している人もものすごい数いるのです。
そして一人一人、まったく違うのです。性別は「グラデーション」。だからLGBTには虹色が使われているのです。これは紛れもない事実であり、この世界中の流れはもはや後戻りできない流れです。
この現実を受け入れる受け入れないではなく、理解できなかったら、過去の時代とともに置いていかれてる「教養のない人物」と思われる時代が、すぐそこまで来ているのです。