地域づくりの目指すべきは経済も回し人づくりもする「エコシステムの構築」では

2017-0914

テンジン大学をやっていると、九州や西日本各地、お隣の韓国から「地域人材の育成」についての講演や研修や相談などがきます。僕は「拠点」や「経済活動の事業」を持ってないながら、2010年に開校して7年目を迎え登録者が6,500名を超えたテンジン大学をやっていて名前が目立つのもあるのか?相談がくるようです。

※写真引用:まるごと福岡博多

 

そのため個人的に学びたい・深めたい分野でもあることや、「テンジン大学をはじめた理由(※)」もあるため、「地域人材の育成」は広げたいしもっと活性化させたい。ということで、九州産業大学で開催された「日本地域政策学会 九州・沖縄支部総会」のフォーラムに参加してきました。

※関連記事:なぜ、テンジン大学をやるのか?

 

テーマ:未来を創るU40の実践

フォーラムにて40歳以下の地域実践者が登壇!ということで、これが知り合いだらけだったこともあり、楽しみに聞きました。

 

まずは幹事が、天神のまちづくりでもお世話になった九州産業大学の経営学部(H30より地域共創学部地域づくり学科へ)の山下永子先生。

 

そして登壇者が、テンジン大学を開校当初より参画してくれて授業統括ディレクターとして活躍し、今は地元宗像市でシェアハウス・シェアオフィス・ツリーハウスをコミュニティでつくってプロデュースし、飲食店まで始めようとしている谷口竜平さん。もう最近は宗像市からも引っ張りだこのよう。

 

次に、最近紹介してもらって会った久留米のまちびと株式会社のおきなまさひとさんと、共同代表の中村路子さん。

 

次に、福岡地域戦略推進機構(FDC)のフェローで、おもに人材開発やコーディネートをしてきている西田明紀ちゃん。

 

 

谷口さん・おきなさんと中村さんコンビの話はいずれも「コミュニティ」を形成し、「拠点」に人が集う仕掛けをしていくことで「人が育っていく」ところまで地道にやっていること。明紀ちゃんの話は、150万都市の中で行政だけではできない開発・空間(箱モノ)づくりを民間交えてつくっていく仕掛けの話でした。

 

これまで「地域づくり・地域人材」についてずっと考えてきたことや、今回の話を聞いて見えてきた共通点は

 

  • 住民だけでなく、外からの人が混ざるコミュニティ

  • 参加型であり、1人1人が主役になれるプロジェクトやイベントの設計

  • コミュニティやプロジェクトのアウトプットは「地域」のためではなく、自分のため、子どもや若者のため

 

で、結果的にコミュニティがデザインされ、行政も協力したり、地場企業も協力したりで「地域づくり」になっているということ。

 

 

田舎も都市も「消費者を増やす」を目指すと滅びる?

都会って人が多く便利なインフラが整ってる田舎、とらえると田舎も都会も基本的なことは変わらないと思っています。ただ、田舎には素材・リソース(ヒトもお金も情報も)が少ないだけで、都会にそれらが集まってきます。となると都会は多くの人を惹き付けていきますから経済活動も活発化し、マーケティングが入ってくることで「よりモノやコトの消費の場」が増えていきます。一方で、「消費の場」が儲かるからとそればかりに着目してしまうと、「より強力な消費コンテンツ」を用意しなきゃいけないというアリ地獄になっていきます。

 

競争も激しく、だんだん地場の人材・会社で「消費コンテンツ」を用意することができなくなるため「外から連れてくる」ことになり、結局お金が域外へ出ていくことに。ましてや域外のプロデュース・企画会社に委託したり丸投げすると、都市から資金が流出することを助長することになっていきます。

 

これって持続可能ですか?

 

田舎も一緒で、素材・リソースがないため、仕掛けられる人が本当にいないし、優秀な人はどんどん出ていくので、ますます「手のうちようがない」ことになります。

 

ところが、近年、島根県の日本海に浮かぶ島の海士町や、徳島県の神山町の事例が出てきています。人口が少ない、しかも不便な田舎に人がたくさんやってくる。もちろん視察目的も含みますが、やってきて飲み食いして宿泊すればお金は落ちますし、それだけじゃなく移住者も増えていってます。

 

地域にモノ・コトの生産者育成のエコシステム構築を!

都会に出て消費することは楽しいです。でも、それでは「学び」もなければ「成長もない」。いろんな文化的なことやアカデミックなことですら「コンテンツとして消費される」ものが都会には溢れています。それではいつまで経っても、都市を担う人材は常に外から連れてくるしかなくなりますし、いつまで経っても市民は参画意識が芽生えません。

 

福岡市も「住みやすい」率が96%と驚異的な数字ですが、これが「消費に最適化された結果」であるとすれば、あまりいい数字ではないと思います。本当は「自分の街は、自分の手でよくしていく」という意識と行動が伴ってはじめてホンモノのシビックプライドが芽生え、「住みやすい」という回答が出てくれば、福岡は日本で一番、アジアで一番の都市と胸を張れると確信します。

 

そうなるためには、「モノづくり」だけでなく「コトづくり」の生産者が自然と生まれ、育っていくエコシステムを構築しなければ持続可能ではない、と思っています。田舎は人不足でそれが構築しずらく、都会は消費だらけで構築しずらくなっている、というのが今の現状ではないでしょうか。

 

 

ベストモデルはオーストリアのリンツ?

となると、最近知ったオーストリア第3の都市「リンツ」の、市民参加型のアート&テクノロジーのフェスティバルが寄与してきた地域づくり・人づくりと、リンツ市のそのフェスを最大限に活かす文化都市を目指した政策が、だいぶ時代の先を行くモデルのように感じました。

 

2017-0905

関連記事:アルスエレクトロニカがもたらす「ひとづくり・まちづくり」がすごい!

 

とは言え、僕はリンツに行ったこともなければ、フェス「アルスエレクトロニカ」を見たこともない・・・。行った人の話や本を読んだだけなんですが、目指す姿がリンツにあるような気がしてなりません。


岩永真一(福岡テンジン大学・学長)への講師・講演依頼について

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